研究課題/領域番号 |
16K15344
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
遊佐 洋右 新潟大学, 自然科学系, 助教 (80612704)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 単一光子放射断層撮影(SPECT) / ハイブリット光検出器 |
研究実績の概要 |
本研究の目的であるSPECT診断装置の放射性同位体(RI)の画像認識における位置分解能向上を達成する上で重要である新型ハイブリッド光検出器HAPDを調達した。申請時の計画では本研究経費でHAPDを4本購入する予定であったが、配分額では不足していたため、2本を購入し、製造企業から2本を貸与という形で準備した。新潟大学医学部保健学科において実習に使用されていたSPECT装置のガンマ線検出部分を新潟大学理学部へ移設し、光電子増倍管を取り除いてHAPDを組み込み試作機を製作した。システムを動作させるために必要となる高電圧配線、HAPD等を取り付けるフレーム等を製作した。HAPD用に開発された信号読み出し回路を使用してトリガー信号に応じてHAPDのヒットカウント情報をPCで取得するソフトウェアを開発し、点状に放出位置を絞られたRI線源からのガンマ線に起因する信号を取得した。線源の有無によってHAPD内のピクセルヒットマップが有意に変化がしたことを確認後に線源設置位置を変化させてそれに応じた変化がライトガイドを導入しない状態においても明確に見られることを確認した。その変化を定量的に評価するため、HAPD上の二次元ヒットマップ分布を縦横それぞれに投影して得られた分布に関数フィットをしてその最頻値から線源位置を決定した。その値と実際に設置した位置を比較して点線源に対する位置決定精度を1mm程度と見積もった。この値は本研究の最終目標である5mmを上回るものである。最終目標である広がりをもった線源分布の画像再構成の際などにおいて精度の劣化が予想されるが、その前段階の目標は十分達成できたと評価される。また、以上の結果を日本物理学会や東北がんプロジェクト医学物理合同セミナーにおいて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に平成28年度分として記載した項目については実績の概要に記載した通り概ね実施済みであり、特に予期していない事象による遅延は発生していない。当初の計画にあったライトガイドについては使用しない状態においても明確なヒットパターンの変化が観測されたため、現在は使用していない。試作機を用いて線源位置、放射性同位元素核種(ガンマ線エネルギー)などの測定条件を変えてデータを取得し、性能評価を継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き試作機を用いて条件を変えてデータ取得および解析を行う。現在までに取得したデータは主にエネルギーが比較的高いガンマ線のものであるため、臨床において用いられる比較的低エネルギーのガンマ線に近いエネルギーの線源を用いて測定を行う。また、それと同時に線源位置イメージを再構成するためのシステムを開発する。現在はある時間の間に積算したヒット分布を使い点線源の位置を特定しているが、イメージングのためには1回のガンマ線入射によって起こる事象毎に位置を決定し、その分布を描画する必要があるため、データ取得のためのトリガーやデータ解析アルゴリズムに変更を加え、本研究の最終目標であるガンマ線の位置分解能を評価する。また、ライトガイド等の導入など試作機デザインに可能な範囲で変更を加え、より高効率での信号収集の可能性を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度中に執行済みであったが、所属機関における事務手続きの不手際により支払日が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
既に執行済みであるため、特になし。
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