がん治療用陽子線ビームと人体の反応から発生する即発ガンマ線を測定するための原子核乾板検出器の設計、組み立ておよびビーム実験による性能評価を行った。 設計にはモンテカルロシミュレーションを用いて、プロトタイプ検出器の構造や設置位置、照射する陽子線の線量を決定した。62.5 × 50 mm2、厚さ0.3 mmの原子核乾板フィルムを作成し、10枚積層して一つのモジュールとした。200 MeV陽子線ビームを照射し、フィルムの現像、飛跡の読み取りを行い、ガンマ線事象の候補となる数MeVのガンマ線による電子、陽電子の対生成事象を一例検出した。これにより原子核乾板によるガンマ線検出の原理が検証された。
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