研究課題
環境化学物質曝露によるADHD発症の胎児期マーカーとなるDNAメチル化部位(CpG部位)を探索するため、45万ヶ所CpG部位の網羅的解析を行った。前年度に行なった臍帯血DNA のエピゲノム網羅的解析ではgenomic inflationが起こり、偽陽性率が高くなっている可能性があったため、本年度は様々な統計手法を試み、inflationを最小に抑えた手法により、有機フッ素化合物、フタル酸エステル類、ビスフェノールA(BPA)、ダイオキシン・PCB類の胎児期曝露について、多重比較補正後もそれぞれの曝露濃度と統計学的に有意に関連するメチル変化を特定した。有機フッ素化合物については、隣接するいくつかのCpG部位でメチル化変化が同時に起こっている領域をも同定した。メチル変化とADHDとの関連を検討するため、網羅的解析で明らかとなった曝露に起因するCpG部位の中から、神経系に分類される遺伝子のCpG部位、20か所を抽出し、6歳のADHD-RS調査票で見いだされたADHD疑い群(n=245)とコントロール群(n=317)の臍帯血DNAを用いて、次世代シークエンサーにより解析した。しかし、得られたメチル化率とADHD疑いとなるオッズとの有意な関連は認められなかった。この理由として、今回の次世代シーケンサーを用いたメチル化解析において、一定の信頼度を保っているかの指標となるカバレッジ数(各CpG部位配列を重ねて読んだ回数)が十分に取得できなかったこと、サンプル間でカバレッジ数がばらついてしまい外れ値が多くなってしまったことが原因の1つと考えられ、現在、再解析を行っている。また、選択したCpG部位が妥当でなかったことも考えられ、今後、解析するCpG部位の再検討が必要と考えている。
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