研究課題/領域番号 |
16K15364
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
金山 敦宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門, 助教 (30376602)
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研究分担者 |
加來 浩器 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 広域感染症学・制御研究部門, 教授 (40431499)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 髄膜炎菌 / 保菌 / 疫学 |
研究実績の概要 |
わが国の感染症発生動向調査において、侵襲性髄膜炎菌感染症は年間数十例報告されているが、特に菌血症の症例は過小報告と推測され、健康保菌者のデータについては収集されていない。欧米諸国では髄膜炎菌保菌率が10%を越えている国もあり、中でも寮生活の大学生等での髄膜炎菌保菌率は高く、発症した場合は死亡例も報告されている。2011年に宮崎県で寮生活の高校生が死亡するアウトブレイク事例が報告され、2015年には山口県で開催された国際的集会に関連した侵襲性髄膜炎菌感染症症例が発生した。わが国では、アウトブレイク時、平時のいずれにおいても、髄膜炎菌保菌についての知見は非常に限られている。 本研究では、寮生活を行っている大学生の保菌率調査を行い、髄膜炎菌保菌の疫学的知見を得ることを目的とする。方法は、研究の目的、方法、参加者の利益と不利益等について文書で説明し、同意の得られた者に実施した。咽頭ぬぐい液を採取し、これを直ちにコマーシャルラボにてMTM培地等で培養した。微生物学的に髄膜炎菌の存在が判明した場合には、さらに分離菌の血清学的解析、遺伝子解析を行うこととした。また、参加者には、基本属性や集団行動についての自記式アンケート調査を実施した。平成28年度は3月に1学年~3学年を対象に実施した。参加者は20名で、年齢は中央値21歳(18~23歳)、男性18名、女性2名であった。喫煙歴のあるものは8名、部活動は体育会系15名、文化系4名であった。参加者のうち髄膜炎菌陽性者はいなかった。 平成29年度以降も、同じ大学生集団を対象に同じ方法でデータを取得するが、調査数に応じて保菌率等の結果を解釈する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度にボランティアを募って調査を実施したものの、参加者数と参加率が大変低く全体像を把握するに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き同じ大学生集団を対象とするが、調査についてのより効果的な周知方法を検討し、一層わかりやすい説明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の調査において、参加者を十分確保できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において、より参加率を高められるよう周知方法などを工夫したうえで、参加者数に応じ検査費用等に割り当てる。
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