研究課題/領域番号 |
16K15380
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90268491)
|
研究分担者 |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
島袋 美絵 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70776939)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | バイオマーカー / エクソソーム / miRNA |
研究実績の概要 |
本研究は、地域住民コホートにおいて、心疾患や脳血管疾患、認知症などの加齢に関する疾患の共通発症基盤である動脈硬化に着目し、その原因となる血管内皮機能障害の初期段階での早期予知を可能とする鋭敏な予防医学的バイオマーカーの提示を目指している。
平成29年度においては、血管内皮機能に関与するparaoxonase 1 (PON1)、lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1(OLR1)、lipoprotein-associated phospholipase A2 (PLA2G7)などの遺伝子の多型についての解析を終えた。さらに、血管内皮機能障害のマーカーとして、LDLコレステロールの酸化状態の代替指標であるsoluble lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 (sLOX1)、 酸化ストレスマーカーである8-iso prostaglandin F2 alpha(8-PGF2alpha)、炎症に関するphospholipase A2(Lp-PLA2)などの血中・尿中量を測定し、前述の遺伝子型との関連について解析した。 また、血中および尿中のエクソソーム回収について検討した。特に、血液の保存状態の影響について、沈殿法やカラム法など数種類の方法について検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遺伝子型の解析については順調に進んている。 また、血中尿中の血管内皮機能障害、酸化ストレスマーカー測定についても、前年度で予備実験を行った結果を考慮した上で、本格的な解析に取り組んでいる。 エクソソーム回収については、血液の保存状態の影響がより出にくい回収方法について検討中であり、また、内包miRNA抽出および発現量解析についても数種類の方法について検討中であり、やや遅れていると考える。 ゲノム編集による各遺伝子型モデル細胞構築については、当該年度に着手する予定であったが、まだ着手できていないため、遅れていると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
血中尿中血管内皮機能障害及び酸化ストレスマーカー測定を終え、エクソソーム回収及び内包miRNA抽出および発現量解析についての方法論を確立し、測定した上で、解析する。 ゲノム編集については、申請時に予定していたヒト正常血管由来細胞HUVECおよびHAECなどについて、CRISPR/Cas9法を用いて、これまでに解析を終え、血管内皮機能との関連が明らかとなっているPON1や血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)などについて、一塩基置換を導入し、影響を評価する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
血中尿中バイオマーカー測定、エクソソーム回収、内包miRNA解析に使用する試薬について、数種類について検討していたため、実際の測定が行えず、当該年度に使用するため。また、ゲノム編集については着手するのが当該年度にずれ込んだためである。
|