研究課題/領域番号 |
16K15384
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
玉置 淳子 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
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研究分担者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
梶田 悦子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50135373)
新田 明美 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00737744)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スクレロスチン / 骨血管相関 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
平成27~28年度に、Japanese Population-based Osteoporosis(JPOS)研究の初回調査対象地域のうち、香川県S市、沖縄県M市、福島県N町、新潟県J市を対象地域とし、20年次調査を実施した。調査時現在40歳以上の者1,658名(そのうち、本研究の対象となる調査時現在50歳以上の者は1,431名)を対象とした。検診受診者は、上記4地域を併せて1,126名(受診率67.9%)であり、そのうち50歳以上は975名であった。20年次追跡調査では、頸動脈エコー測定、脈波伝播速度測定、骨量測定、胸腰椎側面イメージング及び体組成測定、血圧測定、身体計測、メタボリック症候群に関する血液検査、尿検査、運動機能検査、ならびに骨折・既往歴・生活習慣に関するアンケート調査、カルシウム摂取量調査、食事摂取状況調査を計画通り実施し、解析に必要な情報を収集した。 20年次追跡時の頸動脈血管石灰化の保有率を検討した結果、11.6%であった。本研究でベースラインとするJPOS研究10年次調査における頸部エコー画像所見との比較による新規の石灰化発生の検討作業についても終了済みである。また、血清スクレロスチン濃度を本年1月より順次測定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に予定されていた北海道M町の調査が、災害のために1年間延期となった。頸動脈エコー測定は、予定通り専任のスタッフ1名によって実施し得ており、4地域における測定結果のデータベース化は完了した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、北海道M町において追跡調査を実施する。対象人数は、調査時50歳以上となる女性358名である。頸動脈エコー測定、データベースの構築を前年度から引き続き行う。また、全対象地域の血清スクレロスチン濃度の測定を完了し、過去のデータと結合してデータベースを完成させる。データベースには、ベースライン時、10 年次、15 年次、20 年次の基本的属性、腎機能、耐糖能異常関連、脂質、動脈硬化関連の古典的リスク要因、循環器疾患既往、薬剤情報、骨密度、15 年次体組成データに加え、既に測定済みのペントシジン、esRAGE、インスリン等、多臓器に関連にした指標もデータを加える。 動脈硬化の進展に対する、血清スクレロスチン濃度の影響評価を行う。ベースライン時スクレロスチン値の10、20年次の動脈硬化指標に対する影響と追跡10年~20年時の動脈硬化指標の変化に対する観察中間年15年次のスクレロスチン値の影響を、多重線形、ロジスティック回帰モデルにて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に予定されていた北海道M町の調査が、災害のために1年間延期となったため、同調査で使用予定であった費用を繰り越す必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
北海道M町の調査にて、研究代表者の調査打ち合わせ旅費、頸部エコー検査者1名の追跡調査旅費、採血のための現地採用スタッフへの謝金、超音波測定装置の運送費、スクレロスチン測定のための測定関連備品一式脾陽と測定のための人件費に使用する。また、データ整理のための謝金、学術的成果発表の費用として、世界骨粗鬆症会議で発表する費用を計上している。
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