研究課題/領域番号 |
16K15384
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
玉置 淳子 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
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研究分担者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
梶田 悦子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50135373)
新田 明美 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00737744)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スクレロスチン / 骨血管相関 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
JPOS研究の20年次追跡調査を実施し、血中スクレロスチン値が動脈硬化の関連指標である上腕-足首脈波伝播速度(baPWV)値増加リスクを高めるかどうかを検討した。 15,16年追跡時50歳以上で採血及びbaPWV測定を825名に実施した。心血管疾患発症リスクが高まる高リスクの目安である1800cm/秒以上をbaPWV値増加とした。解析対象は、825名中、15,16年追跡時にbaPWV 値が1800cm/秒以上の250名を除いた575名のうち、20年時調査でbaPWVを測定できた569名とした。スクレロスチン値の変動係数は3.45%。 569名の平均年齢62.2歳、血中スクレロスチン幾何平均値36.9pmol/l。観察期間(中央値4.0年)中、baPWV値増加(baPWV値>=1800cm/秒)を95名(16.7%)に認めた。スクレロスチン値の第1-3三分位のbaPWV値増加発生割合は、21.7%、16.3%、12.1%(p-value for trend test = 0.012)。baPWV値増加に関するロジスティック回帰分析の結果、スクレロスチン値の第3三分位に比べて、年齢、15,16年追跡時baPWV 値で調整したオッズ比は、第2三分位で1.60 (p=0.195)、第1三分位で2.06 (p=0.037)。15,16年追跡時の収縮期血圧、HbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪値を調整に追加したオッズ比は、第2三分位で1.61 (p=0.195)、第1三分位で2.09 (p=0.036)であった。 以上より、地域在住女性において血中スクレロスチン値が低いと動脈硬化の関連指標である上腕-足首脈波伝播速度値増加リスクが上昇する可能性が示唆された。尚、血中スクレロスチン値と頸動脈のプラーク石灰化の発生との関連は認めなかった。
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