研究課題/領域番号 |
16K15400
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
飯田 礼子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40139788)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 法医学 / 個人識別 |
研究実績の概要 |
1. CNVコピー数解析法の比較 H28年度に解析した身長との相関が予想されるCNV(LTBP1)について、市販のTaqMan Copy Number Assaysキット(Applied Biosystems)によるCNV解析を行い、昨年度に開発した定量的PCR法によるCNV解析法との比較・検討を行った。TaqMan Copy Number Assaysキットでは再現性が低く、コピー数が既知のサンプルを必要とすることから、定量的PCR法によるCNV解析法の方がより優れていると考えられた。 2. 身体的特徴との相関が予測されるNEDD4L CNVのコピー数解析 1)PubMedを利用して、身長との相関が予想されるCNV NEDD4Lを過去の文献から選出した。このCNVについて、①目的配列、 ②単一コピー遺伝子(ZNF80)および ③目的配列と単一コピー遺伝子のハイブリッド を組み込んだプラスミドベクターを作製し、これらプラスミドベクターの希釈列を用いて、定量的PCRを行った。目的配列および単一コピー遺伝子についてそれぞれ検量線を作成したところ、単一コピー遺伝子ZNF80と目的CNVの増幅効率に大きな相違は無く、適切な正規化と正確な判定が可能と考えられた。 2)CNVコピー数と身長の相関性の解析 島根大学より供与を受けた日本人男性145名および女性106名のDNAを用いてCNV型判定を行った。コピー数と身長の間に逆相関の傾向が男女ともに認められたが、分散分析における有意差は無く、より大きな集団での再検討が必要と思われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度に予定していた計画を概ね達成した。今回開発した解析法が優れていることが確認できたが、CNVコピー数と身長の間に相関が認められなかったことから実用化のためにはさらなる検討が必要と考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
1. 今回開発したCNV解析法を用いて、引き続き身長、体重などとの相関が予測される遺伝子のCNV解析および相関解析を実施する。
2. 相関が高いと認められたCNVの組み合わせによるマルチマーカーシステムを構築する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
試薬や器具類をキャンペーンの利用により購入したため差額が生じた。
H30年度助成金の物品費と合わせて、試薬等の消耗品の購入に使用する。
|