1. CNV解析法の確立 今回開発したCNV解析法の適切な正規化と定量の精度についてはすでに、①リファレンス遺伝子ZNF80とそれぞれの目的CNVの増幅効率の比較 ②プラスミド混合物を用いた模擬分析 により確認している。今回はさらにBioanalyzerによる精度分析を行った。すなわち、ゲノムDNAを鋳型として、リファレンス遺伝子およびCNVに特異的な配列をそれぞれPCR増幅し、得られた増幅産物量をDNA1000 Chipsを装着したAgilent 2100 Bioanalyzerによって定量した。その結果、本CNV解析法によって求められたコピー数の精度は高く、本法の妥当性が示された。
2. DNASE1L3 および DNASE2 CNVのコピー数解析 DNASE1L3 および DNASE2は自己免疫性疾患との関連が指摘されている遺伝子であり、遺伝子内のCNVが酵素活性に影響を及ぼす可能性が考えられる。そこで、今回確立したCNV解析法を利用して、日本人及びドイツ人集団を対象にCNV解析を行った。その結果、コピー数のlossやgainは両集団とも1例も認められなかったことから、自己免疫性疾患関連遺伝子DNASE1L3 および DNASE2遺伝子内CNVの遺伝的多様性は極めて低いことが明らかになった。
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