研究課題/領域番号 |
16K15416
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
稀代 雅彦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40317409)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体吸収性液状血管閉鎖栓 / アテロコラーゲン / 経皮的カテーテル治療 / New device / 代替医療 |
研究実績の概要 |
本研究は三段階の実施計画に基づく。第一段階はアテロコラーゲン液状血管閉鎖栓の作製、第二段階は血管内注入・留置システムの考案・作製および改良、第三段階は対象動物(ウサギ)を用いた動物実験である。H28年度、H29年度は当初の計画では第1段階、第2段階および第3段階に入り、数匹の動物実験が終了している予定であった。しかし後述する動物実験室、動物実験室のあるビル施設の改修工事がH29年度に計画され、H29年度末から工事が着工開始されたことから、計画の研究計画の変更が必要となった。 H29年度までにin vitroでの検討として高研(株)より既に市販されているアテロコラーゲンを素材とする製品であるアテロコラーゲンインプラントと非イオン性造影剤とを様々な割合で混和させ、X線の非透過性とゲル化の有無を検討し、実験に適した混合割合の液体状血管閉塞栓を作製した。続いて血管を想定したビニールチューブに液体状血管閉塞栓を注入し37℃の温度下でゲル化および血管閉塞ができることを確認した。 それをもとにin vivoでの検討に入り、2羽のウサギに対しそれぞれ片側の腎動脈に経カテーテル的に血管閉塞栓を注入し腎動脈を閉塞させた。1羽は実験後5時間程度で死亡した。外部動物飼育委託施設での死亡であったため死因は不明であった。もう1羽については予定通り閉塞術施行1か月後に再造影を行った。しかし閉塞栓は腎動脈から脱落していた模様で血管閉塞は得られていなかった。この原因として閉塞栓と血管内皮の接着が不十分であった可能性が示唆された。 H29年度末からは実験施設改修工事のためX線透視下での検証が不可能となったことから、H30年度一杯、上記の点を修正・改善すべくin vitroでの実験を繰り返し行った。また1年間の研究期間延長申請をし、H31年3月20日付で承認を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は動物実験である。アテロコラーゲンを素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓の作成と、デリバリーシステムの作成、in vitroでの実験に引き続き、ウサギを用いたin vivoでの閉鎖栓留置実験が中心である。この動物実験は大学内動物実験室で行うが、動物実験室のあるビル自体の改修工事、リニューアル化が大学事業として開始されることとなった。結果的に工事期間は平成29年度~30年度一杯(平成30年末~31年3月一杯)であった。このため実験施設のX線透視下での検証をはじめ動物実験そのものが不可能となり、対象動物の保育・管理さえも不可能となったため、動物実験計画は1年間以上の延期とせざるを得なくなった。 本研究の動物実験は、閉鎖栓留置後に一定期間後の血管閉塞状況確認と組織学的検討が必要であるため、閉鎖栓留置後の対象動物は保育が必要である。他施設での実験も検討したが、その際の動物は本学動物実験室には搬入出来ない(感染症持ち込み防御のため)ことから、同一動物実験室での動物実験が可能となるまで、ウサギを用いたin vivoでの閉鎖栓留置実験は延期せざるを得ない状況となった。なお、動物実験室ビルの改修工事状況をみて、1年間の研究期間延長申請をし、H31年3月20日付で承認を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年4月中旬から動物実験施設の改修工事が終了し、施設使用が可能となったことを受け、動物実験を早々に再開する。 動物実験室使用停止中の1年3か月間に行ったin vitroでの実験および2羽のウサギに対して行なったin vivoにおける実験で明らかとなった問題点、課題に対して、様々な方向から検討して得られた解決案が、実際のin vivoでの動物実験で妥当であるかを検証していく。 またより実際的、安定的で確実性の高いものに仕上げたアテロコラーゲンを素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓とデリバリーシステムの実用性を併せて動物実験で確認していく。 動物実験再開とともに、実験動物であるウサギを購入・搬入し、標的血管へのアテロコラーゲンを素材とする生体吸収性液状血管閉鎖栓の留置を次々に行い、期間に応じて順次造影検査、解剖後に閉鎖栓留置血管の摘出し、組織学的検討を進めていく。 繰り返しになるが、本研究は1年間の研究期間延長申請をしH31年3月20日付で承認を受けたため、本年度一杯の研究実験継続が可能となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験施設の使用一時中止に伴い、平成29年末~平成31年3月一杯まで最も重要で中心的、かつ最も直接経費を要する動物実験が中断されたことから、計画と異なり使用額の変更は余儀なくされる結果となった。 平成31年4月からの動物実験再開に伴い、前年度分と併せ次年度分の経費使用が必要となり、実験動物の購入等を早急に進めていく計画である。
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