研究課題
簡易フレイルスコアの有用性を検討した。愛媛大学抗加齢ドック受診者(n=1125)を対象とした検討において、開眼片足立ち短縮(20秒未満で1点)および握力低下(男性 32.5kg未満、女性19.5kg未満で1点)を組み合わせた簡易フレイルスコア(0-2点)は、動脈硬化指数、中心脈圧と有意に関連することを見出し報告した(Int J Cardiol 2016;216:25-31)。さらに簡易フレイルスコアは、頭部MRIで評価した白質障害、血中BNP濃度の上昇、タンパク尿の存在など高血圧性臓器障害の進展とも関連していた(Int J Cardiol 2016;216:25-31)。軽度認知機能障害(MCI)を評価した838例において簡易フレイスコア2点は、年齢・性別で補正後にもMCIの有意なリスク(OR 4.6[1.9-6.9], p=0.0001)であることを認め報告した(Sci Reports 2017 in press)。MCIの存在に対して中心動脈での脈圧の上昇と無症候性ラクナ梗塞の存在がリスクとなったが、簡易フレイスコア2点はこれらとは独立したリスクであった。また、握力低下の基準としてサルコペニア基準(男性 32.5kg未満、女性19.5kg未満)を用いて簡易厳格フレイルスコアを算出したところスコア1点でもMCIの有意なリスクとなった(OR 2.3[1.4-3.7], p=0.001) (Sci Reports 2017 in press)。今後は、よりフレイルの強い集団での検討や縦断面での検討を予定している。
2: おおむね順調に進展している
愛媛大学抗加齢ドック受診者を対象とした研究は順調に進展しており、簡易フレイルスコアに関して2つの英文論文を発表することが出来た。簡易フレイルスコアの臨床的有用性が示されたと考えている。愛媛医療センター受診患者を対象とした簡易フレイルスコアとフリードによるフレイル基準との比較研究は、医療センターの倫理委員会の承認を得て、患者のリクルートを開始したところである。
愛媛大学抗加齢ドック受診者を対象とした研究は今後も順調に進捗し症例数の蓄積が期待できると考えられる。愛媛医療センター受診患者に関しては、同センターリハビリ科の協力を得て症例の蓄積を行う予定である。症例数の蓄積が困難な場合も想定し、抗加齢ドック受診者を対象に歩行速度の計測を行うことも予定している。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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