研究課題
ネクロプトーシス誘導シグナルからオートファジーが誘導される分子機構、オートファジーがネクロプトーシス回避に働く分子機構を明らかにするため、GFP-LC3マウスから樹立したMEFを用いてネクロプトーシス刺激によるオートファジー誘導の最適条件を検討した。TNFa+ZVADやTNFa+CHX+ZVADなどを用いて濃度時間検定を行った。さらに、RIPK3が発現しているヒト大腸がん細胞株とRIPK3を発現していないヒト大腸がん細胞株にて検討を行った。オートファジーの誘導は、免疫染色によるLC3 puncta数の変化 やウエスタンによるLC3-IIの誘導を用いて検定した。また、ネクロプトーシス刺激によるオートファジー誘導機構を明らかにするために、GFP-LC3分子複合体を解析した。ネクロプトーシス刺激後にGFP-LC3のGFPにて免疫沈降を行い、CBB染色を行った。ネクロプトーシス刺激による誘導性バンドを複数認めた。質量分析にてGFP-LC3に誘導性に結合する分子の同定を行った。いくつかのLC3分子複合体を形成する新規候補分子を同定することができた。現在その分子のオートファジーにおける機能解析を行っている。また、腸管上皮細胞は食事抗原に日々さらされている。新たにオートファジーと細胞死を同時に誘導する食事抗原のスクリーニングを行った。そのなかで脂肪酸に着目して検討を行ったところ、パルミチン酸刺激にてオートファジーが誘導され、細胞死も誘導されることが明らかになった。現在その刺激において誘導される細胞死がネクロプトーシスであるかの検定を行っている。
2: おおむね順調に進展している
オートファジー関連分子の同定を行い、機能解析を行っている。今後は、新規刺激と共にこの分子の機能をin vitroやin vivoで検討して行く。
試薬等が計画当初より廉価で購入可能であったため。
試薬等が計画当初より廉価で購入可能であったため、追加実験も含め有効利用して行く。
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Biochem. Biophys. Res. Commun
巻: 484 ページ: 636-641
10.1016/j.bbrc.2017.01.159.