研究課題
ネクロプトーシス誘導シグナルからオートファジーが誘導される分子機構やオートファジーがネクロプトーシス回避に働く分子機構を明らかにするため、オートファジーにて重要なユビキチン鎖を解析した。研究代表者は細胞死シグナルにおけるユビキチン解析を行ってきた(Nature 2009, Nat. Immunol. 2015)。ポリユビキチン鎖は結合様式により8種類あるが、ネクロプトーシスに際し如何なるユビキチン鎖を誘導しているかは不明であった。これまでポリユビキチン鎖についてin vitroおよびin vivo で可視化解析し得る系が存在せず解析が困難であったことも1つの要因である。鎖特異的抗体は動的解析できず、Ub-GFPとセンサータンパク質は鎖状になる前から蛍光標識されている。そこで、鎖特異的にポリユビキチン化を動的に可視化する独自技術を開発した(PolyUb-FC)。同技術は、蛍光蛋白質再構成法(bimolecular fluorescence complementation, BiFC)による分子間相互作用の検出原理を用いている。予め2つに分割した蛍光タンパク質monomeric Kusabira-Green(mKG)の遺伝子に、ユビキチン遺伝子をそれぞれ融合し、ユビキチンが相互作用すると、分割したmKGの断片が近接により再構成され蛍光能を回復し、相互作用を蛍光シグナルとして検出することが可能である。研究代表者はK33鎖結合型の可視化に世界で初めて成功し、オートファジーアダプター分子p62との共局在を明らかにしている(Autophagy 2018)。この技術を用いて、ネクロプトーシスの中心分子であるRIPK3の可視化を試みたところ刺激誘導性に共局在することが判明した。この知見を手がかりに機能しているユビキチン鎖の同定をおこなっていく。
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Autophagy
巻: 14 ページ: 347-358
10.1080/15548627.2017.1407889.