研究課題/領域番号 |
16K15433
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
洪 繁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (90402578)
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研究分担者 |
石黒 啓一郎 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (30508114)
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90303651)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 嚢胞線維症 / オルガノイド / 機能解析 |
研究実績の概要 |
1,遺伝子組換え用ベクターコンストラクトの構築:マウスcftr遺伝子は、全27エクソンがゲノム上に152kbpにわたって存在している。平成28年度は、片アレルのcftr全エクソンを欠損するcftrノックアウトマウスのヘテロ接合体を作成するため、cftrを除くためのベクターを図1の様に作成した。cftrはエクソン1に翻訳開始点が存在するため蛋白コード領域に蛍光蛋白Emeraldを挿入した。Emeraldの3’側にはES細胞セレクション用pGKneoカセットを挿入する。guide RNAをcftr遺伝子の5’、3’側の2箇所に設計した。 2,マウスES細胞株への遺伝子組換えベクターの導入と組換えES細胞の選別:作成したノックアウト用ベクターは、マウスES細胞株にリポフェクション法で遺伝子導入し、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術でcftrノックアウト用ES細胞を作成した。 3,マウス胚盤胞へのマイクロインジェクションとキメラマウスの作成:得られた組換えES細胞は、熊本大学生命資源研究支援センターに送付し、研究協力者である動物資源開発研究部門 竹田直樹助教に組換えES細胞の胚盤胞へのinjectionを依頼した。キメラマウスが産まれ次第、慶應義塾大学に輸送する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、cftr全エクソン欠損ヘテロ接合体マウスを作成するための、準備期間であった。すでに遺伝子組み換えマウスES細胞は、共同研究先の熊本大学生物資源センターに送付済みであり、マウス胚盤胞にインジェクションが行われている。予定では、本年6月ごろにも遺伝子組み換えマウスが入手可能であり、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究分担者竹田よりマウスが送られてき次第、マウスの交配とコロニーを樹立し、得られるヘテロ接合体マウスの膵臓より腸管オルガノイドを作成する予定である。さらに、オルガノイドが作成されれば、当初の研究計画通りオルガノイドに変異を導入する技術を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者名古屋大学石黒の研究グループでは、ノックインマウスを作成したあと、腸管オルガノイドを作成する。そのため平成28年度分の研究資金は、平成29年度に使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に作成されるノックインマウスのオルガノイド樹立および機能解析に使用する。
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