がんの発生や再発の根源である「がん幹細胞」において機能的に必須な新規分子を同定する事は極めて重要である。そこで本研究は、大腸がん幹細胞に特異的に発現するカリウムチャネルを同定し、新たな抗がん剤としての治療標的を探索することを目的とした。 アメリカ食品医薬品局で癌以外の治療薬として承認されているカリウムチャネルブロッカーのうち、数種類の化合物が大腸がん幹細胞の増殖を顕著に抑制することが明らかとなった。マウス移植腫瘍を用いた今後の検討により、抗腫瘍効果を示したカリウムチャネルブロッカーは速やかに抗がん剤としての適用拡大が可能であり、臨床現場での貢献が大いに期待できると考えられる。
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