これまで特性の多くが不明であったヒト心臓線維芽細胞が、共培養した様々なヒト血管内皮細胞のネットワーク形成を抑制することを見出した。これは心臓線維芽細胞が血管新生抑制作用をその特性として有することを示唆するものであり、ヒト心臓線維芽細胞の血管新生抑制作用の責任因子として、LYPD1の同定に成功した。LYPD1タンパク量を添加すると、心臓線維芽細胞がなくても血管内皮細胞のチューブ状構造を抑制したことから、LYPD1タンパク自体に血管新生抑制作用があると考えられた。本成果は、再生医療のみならず、LYPD1の血管新生抑制作用を抑えることで血管新生を誘導する新たな治療法開発など幅広い展開が期待される。
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