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2017 年度 実績報告書

“生まれる”ことで始まる肺胞成熟の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 16K15463
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

森本 充  国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (70544344)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード肺胞 / オルガノイド / Notchシグナル
研究実績の概要

我々はマウス肺からII型肺胞上皮細胞を単離し、肺胞間充織細胞と混ぜてマトリゲル中で3次元培養の実験計画立に挑戦した。肺胞上皮の組織幹細胞であるII型肺胞上皮細胞は、3次元培養下で増殖すると、上皮構造を保ったまま中空の球体”alveolosphere”を形成する。Alveolosphereはin vivo肺胞組織の形態を模倣し、I型肺胞上皮細胞への分化も見られる。この実験系で肺胞上皮細胞の増殖と分化を検証することができる。実験の結果、alveolosphereを無事に作成することができた。次にN2-cKOマウス肺からII型肺胞上皮細胞を単離し、同培養を行ったところ、alveolosphereがほとんど形成されなかった。NotchシグナルはII型肺胞上皮細胞の増殖維持に必要であることがわかった。さらに野生型マウスから作ったalveolosphereを作成する過程でNotchシグナル阻害剤を添加して培養すると、驚いたことにII型肺胞上皮細胞の増殖とAlveolosphere形成が無事に観察された。これらの結果から、Notchシグナルは発生過程でII型肺胞上皮細胞に十分な幹細胞能を与えることに必要で、II型肺胞上皮細胞が確立した後は必要無いと考えられる。今後はN2-cKO及び野生型マウス肺から単離したII型肺胞上皮細胞からmRNAを単離してそれぞれマイクロアレイにかけ、同細胞内のトランスクリプトーム解析を行う。その結果から呼吸を始めた肺で起こる幹細胞の成熟が何のトリガーで始まり、Notchシグナルを活性化し、幹細胞能の獲得に至るのかを調べていきたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] 国立台湾大学(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立台湾大学
  • [国際共同研究] コロンビア大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      コロンビア大学
  • [学会発表] Alternative cell fate selection and following directed cell migration coordinate epithelial pattern of branching airways2017

    • 著者名/発表者名
      森本充
    • 学会等名
      第50回日本発生生物学学会シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Alternative cell fate selection and following directed cell migration coordinate epithelial pattern of branching airways2017

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Morimoto
    • 学会等名
      The 8th TAKAO International Symposium on Molecular Mechanism of Cardiopulmonary Disease
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Wnt5a-Ror2シグナルは気管の間充織細胞の極性を同調させ管腔の長さを制御する2017

    • 著者名/発表者名
      森本充、岸本圭史
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会ワークショップ
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 理研CDBニュース Notchシグナルナルが出生後の肺胞形成に果たす役割

    • URL

      http://www.cdb.riken.jp/news/2016/researches/0712_11200.html

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-08-05  

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