研究課題
PITT法および古典的な顕微注入法により、nephrin-EGFP knockin miceとnephrin-mCherry transgenic miceの2系統のレポーターマウスを樹立した。nephrin-EGFP constructを遺伝子導入した段階でポドサイト特異的にEGFPが発現するはずであったが、原因不明の理由のために発現が見られなかった。そこでCAG-FLPe transgenic mouseと交配して、Neo耐性遺伝子を含むFRT間領域の除去を行い期待通りの発現を得ることができた。野生型マウスあるいはレポーターマウスの左心室よりDynabeads M-450を灌流し、両腎摘出後にミンス、Collagenase A+DNase Iにより消化、磁気スタンドにて高純度糸球体(>95%)を単離した。糸球体培養2日目以降は生体内の5%以下にネフリン遺伝子発現が低下した。96 well plateに150-200 glomeruli/wellで糸球体をまいて、5日後にCellomics ArrayScan VTI (Thermo Scientific)にてEGFPの蛍光強度を定量した。従来はマウスの糸球体をsieving法で単離する場合には直径45μmのメッシュを最終段階で用いていたので、ArrayScanではその大きさに相当する2000μm2より大きい細胞塊を糸球体と認識させて自動定量を行った。
2: おおむね順調に進展している
ネフリンレポーターマウスの樹立および、糸球体由来のレポーターシグナルの定量法の開発に計画通り成功した。
ネフリンレポーター糸球体を用いた化合物ライブラリーのスクリーニングを進める。podocyteのviabilityに影響を及ぼすと考えられている1,25(OH)2 VtD3 (1-1250nM)およびall-trans retinoic acid (0.04-25μM)について、レポーターへの効果を検討する。スクリーニング化合物は10mM in DMSOの状態で供給を受ける。ビタミンDの効果を最大化する条件検討を行い、最初3日間はDMEM培地+10% Fetal Calf Serum (FCS)、次の2日間に化合物を添加しFCSを0.5%に減らすものが良いと判断しているが、更なる至適化を行う。ビタミンDの有無に関わらず、2%DMSOの存在はレポーター活性を20%低下させたが、ビタミンDの効果を見ることには影響しなかった。一次スクリーニングでは化合物10μM+1%DMSOで48時間処理し、4% paraformaldehyde固定、300ng/ml DAPIで核染色し、ArrayScanにて糸球体の同定、EGFP蛍光強度の定量を行う。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件)
J Am Soc Nephrol
巻: 28 ページ: 278-289
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Sci Rep
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