腎臓は生体の水分・電解質の恒常性維持に重要な役割を果たす。アデノシンは腎機能と腎血流の重要な規定因子として知られているが、アデノシンの腎臓における分布は知られていない。MALDI-IMSは、臓器内の小分子を可視化する新しい手法である。本研究では、MALDI-IMSを用いて、腎臓内の代謝小分子の可視化を試みた。腎臓における多くの代謝小分子は、MALDI-IMSにて半定量的に可視化が可能であった。アデノシンは腎皮髄境界の外側線条に特徴的な集積を呈していた。このことから、血圧変動に応じた髄質血流の調節において、アデノシンが重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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