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2016 年度 実績報告書

腸内細菌・組織マクロファージ連関メカニズム解明による抗糖尿病療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15488
研究機関東京大学

研究代表者

植木 浩二郎  東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (00396714)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2017-03-31
キーワードAkt / マクロファージ / インスリン / LPS
研究実績の概要

MAktDKOマウスは、通常食下で野生型マウスで見られる摂食後の脂肪組織におけるIL-10の発現亢進が認められなくなっており、肝臓における肝糖新生の亢進やインスリン感受性の低下が認められる。MAktDKOマウスにアデノウイルスでIL-10を肝臓で発現させると、糖新生の抑制や血糖値の低下など、MAktDKOマウスの表現型を改善することができ、MAktDKOマウスの糖代謝障害が摂食によるIL-10の産生低下によるものであることが示唆された。このマクロファージにおけるIL-10産生は、骨髄マクロファージを用いた系ではインスリンとLPSの共刺激で強く誘導されるが、MAktDKO由来マクロファージ ではこれが低下している。また、野生型マクロファージでもPI3Kインヒビターの添加でIL-10産生抑制される。Aktの下流であるGSK3インヒビターの投与やFoxOのノックアウトではIL-10産生は低下しなかった。一方、mTOR阻害薬のラパマイシンでは産生が低下した。さらに、AktDKOに加えmTORC1の抑制因子であるTSC2をノックアウトすると、IL-10の産生は回復することから、マクロファージにおけるIL-10産生は、Akt/mTORC1によって制御されていることが明らかとなった。
MAktDKOマウスへのmelanoma移植では、野生型に比べ体重減少の程度が抑制されていた。マクロファージからAkt依存性に脂肪細胞の分化を抑制する因子が分泌されているものと考えられ、現在探索中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differential hepatic distribution of insulin receptor substrates causes selective insulin resistance in diabetes and obesity2016

    • 著者名/発表者名
      Kubota N, Kubota T, Kajiwara E, Iwamura T, Kumagai H, Watanabe T, Inoue M, Takamoto I, Sasako T, Kumagai K, Kohjima M, Nakamuta M, Moroi M, Sugi K, Noda T, Terauchi Y, Ueki K, Kadowaki T
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 1-16

    • DOI

      10.1038/ncomms12977

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨髄系細胞におけるAktを介した代謝恒常性維持機構の検討2016

    • 著者名/発表者名
      戸田郷太郎、笹子敬洋、亀井望、添田光太郎、諏訪内浩紹、坂田道教、小林正稔、岡崎由希子、鈴木亮、松本佐保姫、眞鍋一郎、戸邉一之、Morris J. Birnbaum、門脇孝、植木浩二郎
    • 学会等名
      第59回日本糖尿病肥満動物学会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2016-05-19 – 2016-05-21

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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