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2018 年度 実績報告書

ストレス顆粒による新規の活性酸素制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K15502
研究機関新潟大学

研究代表者

藤井 雅寛  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30183099)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードシヌクレイン / タウ / パーキンソン病 / レビー小体 / 凝集体 / アグリソーム / ストレス顆粒 / アルツハイマー病
研究実績の概要

1)活性酸素の制御にアグリソームが関与することが示唆されている。USP10はアグリソームの形成を促進し、ユビキチン化蛋白質オリゴマーの細胞毒性を抑制する。HeLa細胞をMG-132(プロテアソーム阻害剤)で処理すると、蛋白質凝集体(アグリソーム)が形成された。USP10の発現を低下させた細胞では、MG-132処理によるアグリソーム形成が著しく低下した。これらの結果は、USP10がアグリソームの形成に関与することを示した。USP10とp62が強調してアグリソームの形成を促進することが示唆された。
2)細胞をMG-132で処理すると、ユビキチン化蛋白質のオリゴマーが形成される。このユビキチン化蛋白質のオリゴマーは細胞毒性を示す。USP10の発現を低下させた細胞では、MG-132処理による細胞死が昂進した。これらの結果は、USP10がアグリソ-ムの形成を介して、ユビキチン化蛋白質オリゴマーの細胞毒性を抑制することを示唆した。
3)USP10はアルツハイマー病の病原蛋白Tauの凝集体形成を誘導する。HT22細胞をMG-132で処理すると, TauとTIA1が陽性のストレス顆粒の形成が誘導された。このストレス顆粒の形成は、USP10の発現を低下させると、著明に低下した。Tauはアルツハイマーの原因蛋白であり、脳病変にTau陽性の凝集体を形成する。以上の結果は、USP10がTau陽性のストレス顆粒の形成を介してアルツハイマー病の発症に関与することを示唆した。
4)USP10は、パーキンソン病において、レビー小体の形成に関与する。パーキンソン病は、円滑な運動に関与する神経細胞が死滅することを特徴とする神経変性疾患である。α-シヌクレインはパ-キンソン病の原因蛋白の1つである。α-シヌクレインはパーキンソン病の脳病変にレビー小体と呼ばれる、α-シヌクレイン陽性の凝集体を形成する。USP10とα-シヌクレインをHeLa細胞に共発現すると、α-シヌクレイン陽性/USP10陽性のレビー小体様の凝集体が形成された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] USP10 Is a Driver of Ubiquitinated Protein Aggregation and Aggresome Formation to Inhibit Apoptosis2018

    • 著者名/発表者名
      Takahashi M, Kitaura H, Kakita A, Kakihana T, Katsuragi Y, Nameta M, Zhang L, Iwakura Y, Nawa H, Higuchi M, Komatsu M, Fujii M.
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 9 ページ: 433-450

    • DOI

      10.1016/j.isci.2018.11.006.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Role of ROS in pathogenesis of HTLV-1-associated diseases2018

    • 著者名/発表者名
      藤井雅寛
    • 学会等名
      Frontiers in Retrovirology Conference 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] パーキンソン病において神経病原性蛋白質を不活化する蛋白質を同定

    • URL

      https://www.med.niigata-u.ac.jp/contents/info/news_topics/93_index.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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