研究課題/領域番号 |
16K15503
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (40449921)
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研究分担者 |
Horlad Hasita 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 研究員 (00644840)
藤原 章雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (70452886)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コレステロール |
研究実績の概要 |
近年、治療方法の発達により、血液系腫瘍の治療成績は徐々に向上しているが、完治に至らない例も多く、新たな腫瘍増殖/治療抵抗性のメカニズム解明や治療薬の開発が望まれる。Burkittリンパ腫には細胞質内空胞が特徴的であり、同様の空胞はその他の高悪性度リンパ腫にも観察される。空胞の主成分はコレステロールエステルであり、空胞を有する細胞ではコレステロール代謝が亢進している。我々は、コレステロールの排出経路を阻害することで白血病・リンパ腫細胞の細胞死を誘導できることを見出した。本研究では、白血病・リンパ腫細胞におけるコレステロール代謝経路を詳細に解析し、また代謝経路阻害剤の前臨床試験や新たな阻害剤のスクリーニングを行い、新たな標的分子や阻害化合物の探索を行いたい。 初年度の研究では、様々な白血病・リンパ腫細胞における脂肪滴空胞の出現頻度を調査し、治療抵抗性や予後、その他の臨床病理学的因子との相関性を検討した。また、培養細胞株を用いて、白血病・リンパ腫細胞株でのコレステロール代謝関連分子の発現を解析するとともに、正常細胞との比較を行った。コレステロールエステルの蓄積やSR-B1阻害剤の抗腫瘍効果に関しても細胞株と正常細胞との比較を行い、腫瘍細胞特異的現象かどうかを検討した。通常、正常細胞ではLDLの負荷によりNegative feedback機構が働き、LDL受容体の発現は低下するが、腫瘍細胞株ではその減少が見られなかった。また、マウスモデルを作成して、SR-B1阻害剤の単独での効果や併用療法を比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に経過している。途中経過をCancer Reserchに投稿したがリジェクトであったが、それなりにポジティブな返事だったので、データを追加して再投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
SRB1阻害剤の白血病・リンパ腫治療への有効性を検討し、新たな阻害剤の開発を目指したい。
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