造血幹細胞は様々な系列決定過程を経て最終的にB細胞にしかなれない前駆細胞となる。この運命制御には転写因子が重要な働きをしているが、詳細は明らかでない。特に、1細胞レベルでの遺伝子発現制御機構は不明である。我々は独自に開発したB細胞分化誘導系を用いて個々の細胞の網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、1細胞レベルの遺伝子発現パターンは複数の細胞を用いて得られた結果と類似していた。また、骨髄の前駆細胞を用いた1細胞RNA発現解析結果もこれを支持していた。このことから、モデル系を用いて明らかとなった転写ネットワークは通常のB細胞分化においても重要であることが示唆された。
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