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2016 年度 実施状況報告書

自然リンパ球の機能制御におけるTNF受容体型分子群の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16K15508
研究機関東北大学

研究代表者

石井 直人  東北大学, 医学系研究科, 教授 (60291267)

研究分担者 宗 孝紀  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60294964)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード自然リンパ球 / アレルギー / 炎症
研究実績の概要

自然リンパ球(以下ILC)は、呼吸器、消化管、脂肪組織などの臓器・組織特異的に局在する新たなリンパ球系細胞として発見され、炎症反応を制御することで生体恒常性維持と生体防御に必須の細胞として注目されている。ILCの分化や増殖にサイトカインが重要であることが明らかにされているが、ILCの活性化制御の分子機構はほとんど解明されていない。そこで本研究では、GITR、OX40、CD27およびTRAF5に焦点を当てて、ILC2の機能・活性化制御機構の解明を行う。
OX40欠損マウス、GITR欠損マウスおよびOX40リガンド/GITR二重欠損マウスにパパインを鼻腔投与することにより、ILC2依存的なアレルギー性肺炎症を惹起した。その結果、GITR欠損マウスおよび二重欠損マウスにおいて肺炎症が抑制された。したがって、GITRがパパイン誘導アレルギー性肺炎症に重要な役割を果たし、一方、そのファミリー分子であるOX40は同炎症には関与しないことが示唆された。以前より、ILC2にGITRが発現することが知られていたことから、GITRがILC2の活性化に直接に関与する可能性を考え、ILC2を試験管内でIL-33およびGITRアゴニスト抗体で刺激した。その結果、IL-33刺激により誘導されるIL-5およびIL-13の産生が、GITRアゴニストの投与によって、著しく増強された。この結果は、ILC2の活性化にGITRシグナルが関与することを示唆する。しかし、GITRはILC2のみならずT細胞にも発現しているため、生体内のGITRの機能を明らかにするためにはT細胞とILC2を分けて考える必要がある。次年度には、この課題を解決しながらGITRシグナルのILC2の活性化機構の解明を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

GITRがILC2の活性化に直接関与することを証明した。この結果はILC2の活性化制御機構を解明する上で重要な知見である。

今後の研究の推進方策

順調に進捗しているの当初の計画どおりに研究を進行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] ER stress protein CHOP mediates insulin resistance by modulating adipose tissue macrophage polarity2017

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T, Gao J, Ishigaki Y, Kondo K, Sawada S, Izumi T, Uno K, Kaneko K, Tsukita S, Takahashi K, Asao A, Ishii N, Imai J, Yamada T, Oyadomari S, Katagiri H
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 18 ページ: 2045-2057

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2017.01.076

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TNF receptor-associated factor-2 and -5 differentially regulate the instructive IL-6 receptor signaling that requires for Th17 development2016

    • 著者名/発表者名
      Nagashima H, Okuyama Y, Hayashi T, Ishii N, So T
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 196 ページ: 4082-4089

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1501610

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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