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2016 年度 実施状況報告書

全身性強皮症の主要3病態のすべてを抑える画期的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15511
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 伸一  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20215792)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード全身性強皮症 / グリチルリチン / 線維化 / 血管障害 / 炎症
研究実績の概要

全身性強皮症の主要3病態に対する各種治療薬の効果の解析として、まず初めに肝線維化治療薬であるグリチルリチンについて、ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウス(BLMマウス)と強皮症血管障害モデルマウス(血管内皮細胞特異的Fli1欠失マウス、Fli1 ECKOマウス)を用いて検討を行った。BLMマウスでは、グリチルリチンによって皮膚線維化が抑制されることが明らかとなった。その機序として、①皮膚線維芽細胞におけるTGF-beta signalingを抑制すること、②Th2/Th17優位な炎症環境の誘導を抑制すること、③血管内皮細胞において細胞接着分子の発現を変化させてTh2/Th17細胞とM2マクロファージの浸潤を抑制すること、④血管内皮細胞間葉転換を抑制すること、などが明らかとなった。一方、Fli1 ECKOマウスでは、グリチルリチンによって血管の脆弱性が改善することが明らかとなった。その機序として、血管内皮細胞におけるVE-cadherin, PECAM-1, PDGF-Bの発現を回復させることが明らかとなった。以上の結果から、グリチルリチンは強皮症の主要3病態のすべてに対して、疾患修飾作用を有していることが明らかとなった。以上の結果を踏まえ、現在特定臨床研究として、全身性強皮症患者に対するグリチルリチンの治療効果について前向きに検討を行う予定である。また、並行して他の薬剤についても同様の手法で研究を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グリチルリチンが強皮症の主要3病態に及ぼす影響、およびその作用機序が既に明らかとなっており、予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

他の薬剤についても同様の検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [国際共同研究] Boston University School of Medicine(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Boston University School of Medicine
  • [雑誌論文] Glycyrrhizin Ameliorates Fibrosis, Vasculopathy, and Inflammation in Animal Models of Systemic Sclerosis.2017

    • 著者名/発表者名
      Yamashita T, Asano Y, Taniguchi T, Nakamura K, Saigusa R, Miura S, Toyama T, Takahashi T, Ichimura Y, Yoshizaki A, Trojanowska M, Sato S.
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology

      巻: 137 ページ: 631-640

    • DOI

      10.1016/j.jid.2016.08.037.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

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