研究課題
ダニは最も主要なアレルゲンであるが、そのアレルギー誘導機構は不明である。申請者は、マウスにおいて、タンパク質抗原単独ではアレルギー応答は誘導されないが、ダニの外殻構成成分「キチン(Chitin)」の存在下では、Type-2サイトカイン誘導因子であるIL-33の発現誘導を介して、IL-4/13-STAT6経路依存的なアレルギー応答が誘導されることを見出した。キチンのこの効果には、新規のキチン受容体の関与が想定され、これまでに、キチン結合タンパク質としてキチナーゼ様タンパク質「Chil1」をマウス肺より同定している。Chil1は、キチン吸入による気道炎症の増強や、キチン存在下での樹状細胞によるサイトカイン産生を誘導することから、キチンによるアレルギー誘導に関わると考えられる。本申請では、Chil1下流分子の新規同定を目指した。今回、固相化Chil1タンパク質を用いたpanning法による同定を試みた。COS-7細胞にplasmid型の発現ベクターを用いたマウス肺cDNAライブラリーを、リポフェクション法により遺伝子導入する。強制発現後、固相化したChil1に結合するCOS-7クローンをpanning法により選び出し、含まれるplasmidベクターのインサートDNAの塩基配列から、Chil1結合タンパク質を同定するというものである。その結果、アデニル酸シクラーゼやATP合成酵素のような酵素、プラコグロビンやダイニンなど細胞の構造タンパク質、さらにはアペリンやサイモシンなどの生理活性物質等、様々なインサートDNAが同定された。しかしながら、同定される分子に再現性がなく、panning法により選抜されるクローンは、固相化Chil1もしくは固相に非特異的に結合しているに過ぎないと考えられ、スクリーニング法の変更が必要であると考えられた。
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