研究課題/領域番号 |
16K15522
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 洋子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80332500)
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研究分担者 |
松原 洋一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 所長室, 研究所長 (00209602)
新堀 哲也 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40436134)
井上 晋一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70622091)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 代謝 / 体重増加不良 / Costello症候群 |
研究実績の概要 |
本研究では生殖細胞系列にヘテロ接合性のHras G12S変異を持つノックインマウス (HrasG12S/+ マウス; C57BL/6J系統)を作製した。また、HrasG12S/+ マウスの表現型を解析することによりCostello症候群の病態解明を行った。HrasG12S/+ マウスは特徴的な顔貌、咬合不正、脱肛などの外表奇形および心疾患、腎疾患を認めた。心疾患に関しては心肥大を認め、生後16週の時点でHrasG12S/+ マウス体重あたりの心臓重量がコントロールマウス (Hras+/+ マウス)に比べて有意に重かった。組織学的には心筋細胞肥大が認められた。HrasG12S/+ マウスはCostello症候群で認められる症状のうち、特徴的な顔貌、咬合不正、肥大型心筋症様の心筋細胞肥大を認めたため、Costello症候群の病態解明に用いるモデルマウスとして利用可能であると考えた。 Costello症候群モデルマウスにおける代謝の変化を観察するために一年間高脂肪食を与えたHrasG12S/+ マウスの肝臓では小滴性脂肪肝を認め、肝臓におけるミトコンドリア脂肪酸β酸化異常が疑われた。離乳時より11週間高脂肪食を与えた後に絶食試験を行ったところ、絶食後のHrasG12S/+ マウスの肝臓は組織学的に大滴性脂肪変性をきたした。また、絶食時の血中アシルカルニチン分析を行ったところ、炭素数16以上のアシルカルニチンの上昇が認められた。以上の結果から、HrasG12S/+ マウスは高脂肪食負荷によって肝臓におけるミトコンドリア脂肪酸β酸化異常を認めた。以上の結果から、Costello症候群において、メタボリックパスウェイが変化していること、特に肝臓における脂肪酸代謝変化に伴う体重増加不良が示唆された。
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備考 |
http://www.medgen.med.tohoku.ac.jp/
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