研究課題
今年度はMuse細胞が胎児発育不全(FGR)ラットに与える影響を行動実験により評価を行った。FGRモデルラットにMuse細胞、nonMuse細胞を日齢4に投与し、vehicle群には基液のみを投与し、sham群と併せて4群で行動実験の評価を行った。Negative geotaxis試験ではMuse投与群で改善を認めた。Rotarod試験では、1ヶ月においてvehicle群で短縮した持続時間が、Muse投与群で有意に改善した。Y迷路試験においても、Muse投与群で有意差はないがvehicle群で認められる空間記憶障害に改善傾向がみられた。以上のことからMuse細胞投与はFGRによる神経学的障害を改善させる可能性が示唆された。新生児慢性肺疾患(CLD)モデル動物を用い、炎症性ケモカインCCL2を阻害する間葉系幹細胞(7ND-MSC)とMuse細胞の治療効果を検討した。7ND-MSCを用いた検討では、酸素負荷後4日目に7ND-MSCまたは通常のMSCを静脈内投与し、負荷後15日目に肺胞洗浄液の細胞学的評価と肺組織の生化学的評価を行った。肺胞洗浄液では、白血球、特に肺胞マクロファージの数が高酸素負荷により増加していたが、MSC群では改善が見られ、さらに7ND群ではその改善効果が顕著であった。肺組織では、高酸素負荷によりIL-6、CCL2など炎症性サイトカインのmRNA発現量が増加していたが、7ND群でのみ有意な改善がみられ炎症性サイトカイン抑制効果を確認した。Muse細胞を用いた検討では、酸素負荷開始4日後にMuse細胞またはnonMuse細胞を静脈内投与し、負荷後15日目に評価を行った。肺胞洗浄液の細胞学的評価では、nonMuse群では抑制効果は認めなかったものの、Muse群では炎症細胞の有意な抑制効果を認めた。
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