近年メラノーマに適応になった免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体、抗CTLA-4抗体は、その他のがん患者にも適応が拡大されてきている。国の総医療費の増加を抑える為にもこれらの高額な治療をどのように適正使用するかが重要であり、適正使用のバイオマーカーを見出すことが喫緊の課題である。本研究では、免疫チェックポイント阻害薬の治療を受けたメラノーマ患者の臨床データセットの解析と原発巣、再発巣、血中がん細胞、転移巣のすべてに由来する血漿中のがん細胞由来のエクソソーム(細胞外小胞)構成成分の解析を行い、適応と副作用のバイオマーカーの候補を見出し簡便で感度・特異度が高い検出方法の確立を目指している。 1. 本研究に必要な生命倫理審査の承認を生命倫理委員会から得た。2. メラノーマ患者からの血漿を含む種々のサンプルを蓄積している(免疫チェックポイント阻害薬投与患者を含む)。3. メラノーマ病変部切片から組織マイクロアレーを作製し、多くのがん関連遺伝子の発現を一度に解析する実験系を確立した。たとえば、PD-L1の発現に関しての多くの知見も蓄積している。4. 病変部からDNAを抽出し、遺伝子パネル解析を用いてがん関連遺伝子の変異の知見を症例数を増やし蓄積している。それらの中にバイオマーカーの候補がないかを臨床データと照らし合わせて検討中である。5. ヒトメラノーマ細胞株からRNAを抽出し、がん関連遺伝子の発現をRNAseqで確認している。6. RT-LAMP法の確立に取り組んでいる。
|