申請者らは4種類の異なるアトピー性皮膚炎モデルマウスの皮膚のトランスクリプトーム解析を行った結果、共通して発現するただ1つの未知の遺伝子Xを見出した。この遺伝子は、他の皮膚炎モデル、またヒトのアトピー性皮膚炎、乾癬の表皮でも強い発現誘導がみられた。X遺伝子を導入した正常ヒトケラチノサイトでは炎症制御分子の発現が促進した。さらに、X遺伝子導入ケラチノサイトのRNA-Seqの解析結果、遺伝子Xが細胞接着、脂質合成、ミトコンドリアの機能調節に関わる可能性が示された。以上より本遺伝子は、炎症、ストレスに対する応答、表皮バリア機能を含めた皮膚の生体防御機能も制御する可能性が示された。
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