研究課題/領域番号 |
16K15560
|
研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
前田 一石 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (70706639)
|
研究分担者 |
小川 朝生 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (10466196)
森 雅紀 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (10771868)
羽多野 裕 近畿大学, 医学部, 講師 (30516034)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 終末期せん妄 |
研究実績の概要 |
終末期せん妄は50-80%の終末期患者に認められ、患者・家族の苦痛が極めて強い症状である。先行研究で50%の症例で可逆性があると報告されているが、終末期に近づくにつれ肝不全・腎不全などの臓器合併症、脳転移、電解質等基礎にある病態の影響が変わってくるため、一般には治療抵抗性の割合が増えるとされている。実臨床において、終末期せん妄が治療反応性か否かで治療戦略が全く変わってくるため、「who:誰がせん妄を発症するか」「what:せん妄は治療反応性であるか」を予測するこが重要だが、現在の知見ではほとんど不可能である。本研究は終末期がん患者の中で、誰が過活動型せん妄を発症するか、発症したせん妄が治療抵抗性であるかどうかを予測することを目的に、終末期患者の臨床データを経時的に取得し、リスク因子、アウトカムに関するデータを得て、得られたデータにRandom Forest法を適用して、1.終末期せん妄の発症予測モデル、2.最終的に鎮静を要する治療抵抗性のせん妄の発症予測モデルを作成することを目的としている。 2018年3月までに行ったことは、多施設からなる終末期コホート研究の一環として、患者基本情報、併存疾患、がんおよび転移巣の進展度、使用薬剤、終末期せん妄の発症、持続鎮静の要否に関する情報の取得を行った。全症例の観察期間が満了していないため解析・論文化には至っていないが、一部データ整理を行った症例で解析の実施可能性の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
必要なデータの集積が完了し、次年度中に解析に着手できる予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
症例の観察期間を満了後、速やかにデータ固定を行い、解析・論文化・成果発表を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は多施設からなる終末期コホート研究の一環として、患者情報、終末期せん妄の発症、持続鎮静の要否に関する情報の取得を行ったが、観察期間が満了しておらずデータ固定・解析・論文化に至らなかったため、繰越金が発生した。次年度にデータ固定、ディープラーニングを用いた解析、論文化、成果発表等の費用がかかるためこれに充当する予定である。
|