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2017 年度 実績報告書

時計遺伝子発現測定に基づいた神経変性疾患者の概日時計機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K15562
研究機関山口大学

研究代表者

明石 真  山口大学, 時間学研究所, 教授 (30398119)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード概日時計 / 時計遺伝子 / 認知症
研究実績の概要

生物が地球の自転に同調して活動するために、生まれてから死に至るまで体内では概日時計は機能し続けている。しかしながら、動物実験によって、加齢が概日時計機能に異常をもたらすことが詳細に示されてきた。一方、ヒトの行動生理の概日リズムにおいても、加齢にともなう位相異常・振幅低下・断片化などが観察されており、概日時計本体の機能異常が強く示唆されてきた。今回、私たちは、行動の概日リズムにおいて重篤な異常が検出される高度認知症の後期高齢者を対象として、時計遺伝子発現に基づいた概日時計の機能評価を行った。まず、外因的概日時計調節因子が視交叉上核を介して末梢時計の制御に至る経路が正常に機能していることを調べるために、末梢の時計遺伝子発現リズム位相を確認することにした。すると、意外なことに、患者全てにおいて正常な概日位相が検出され、入力から末梢時計までの経路は正常に機能していることが示唆された。次に、この末梢の時計遺伝子発現が体性因子を除外しても正常な自律的振動を示すのか調べるために、採取した毛包組織を丸ごと培養して発現をリアルタイム検出する簡易なシステムを立ち上げた。この実験系によると、患者の細胞自律的な時計遺伝子発現リズムは健常者と同等であることが示され、細胞老化や病態が概日時計振動体に与える影響が限定的であることが示唆された。また、末梢時計の周期長が個体のクロノタイプと相関があることが報告されているが、異常な行動リズムにもかかわらず患者の概日周期長は健常者と差がなかった。高度認知症の後期高齢者においても、入力から末梢時計までの経路は正常に機能している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A simple method using ex vivo culture of hair follicle tissue to investigate intrinsic circadian characteristics in humans2017

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Ai、Matsumura Ritsuko、Matsuzaki Takashi、Nakamura Wataru、Node Koichi、Akashi Makoto
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 6824

    • DOI

      doi: 10.1038/s41598-017-07268-8

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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