研究課題/領域番号 |
16K15574
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | MRI / CEST / 脳虚血 |
研究実績の概要 |
初年度は撮像条件および画像処理プログラムの最適化を行い。これを用いてflufenamic scid(FA)投与マウスでの生体におけるFA脳内分布の画像化を行った。撮像条件の最適化に関してはFA溶液を用い、±2400Hz(±8ppm)の範囲で50Hz毎にCESTを施行した。1.8μT、100msのgauss pulseを10msの間隔をあけ、40train行う条件を行い、水を中心として約5-5.5ppmの範囲にFAのCEST効果が認められることを確認し、さらにCEST効果が最大となる条件を実際の測定を用い検証した。画像処理プログラムについては科学計算言語matlabを用い撮像された画像データから任意のケミカルシフトの区間のCEST効果を画像化するプログラムを作成した。なお、撮像条件の最適化において照射パルスの照射パワーの上昇に従い、B0の乱れが画像に大きく反映することが確認されたことより、B0の補正を行うWASSR法を測定および画像処理プログラムに導入したことにより溶液の濃度に比例した均一な画像を取得することに成功した。溶液により設定した撮像条件を用い、マウスをMRマグネット内に設置し、大体静脈にカテーテルを挿入し、FA投与前およびFA250mg投与後のCEST撮像を経時的に行い、FA投与後にFA検出部位でCEST効果が増大することが確認できた。一方、マウスを用いた基礎検討により、緩和時間および脳内動態の影響により、溶液における照射パルスの最適条件と生体における最適条件が異なることが示されたために、現在生体における照射パルスの最適化条件を設定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画における初年度に行う予定はすべて終えており、研究は順調に進捗している。一方、溶液における照射パルスの最適条件と生体における最適条件が異なることが示されたために、新たにマウス脳における測定最適条件の設定が必要となったが、すでに撮像方法の基礎研究は終えており、これに関しても順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に推移しており、基礎的検討を終え、生体における画像化の目途が立ったことより、次年度は計画通り、正常マウスにおけるFA濃度分布画像と生化学的手法との比較による妥当性の検証に入る。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス実験において使用する笑気ガスが以前の研究における余剰ガスを使用することができたために、余剰分が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在使用している笑気ガスがなくなり次第、新しい笑気ガスの購入に充てる。
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