本研究の目的では、標的分子と水のプロトン交換量を画像化する新しい原理に基づいた分子イメージングMRI(CEST MRI)により、脳組織内の薬剤濃度分布を画像化してモニタリングする全く新しい組織薬剤モニタリング手法を開発し、脳梗塞モデル治療効果モニタリングへの応用を行った。CEST MRIを用いることにより、Frufenamic acid (FA)の脳内濃度の経時的な観察が可能となった。薬剤効果の検証に関しては虚血前投与で認められるFAの神経細胞保護効果が虚血導入後投与では減弱しており、これは虚血後のFAの虚血脳への移行が妨げられていることによることが本手法にて確認された。
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