研究課題/領域番号 |
16K15576
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 浩 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80362531)
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研究分担者 |
吉村 通央 京都大学, 医学研究科, 講師 (40597936)
後藤 容子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60755651)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | がん / 放射線 / 抵抗性 / 原因遺伝子 / 遺伝学的スクリーニング |
研究実績の概要 |
cDNA発現ライブラリーを対象にした遺伝学的手法を通して、細胞の低酸素応答と放射線抵抗性に関わる遺伝子を網羅的にスクリーニングする系を確立し、新たに新規遺伝子を同定することに成功した。コロニー形成試験を通じて、当該遺伝子の過剰発現によって、がん細胞が放射線抵抗性を獲得することを確認した。 当該遺伝子が放射線抵抗性を亢進する機序を解明する目的で、分子細胞生物学的実験を実施した。まずDNA損傷部位を可視化するレポーター遺伝子を活用して、当該遺伝子がDNA損傷修復能を活性化するのではなく、細胞内の抗酸化物質量を上昇させることでDNA損傷の発生頻度を低下させることを見出した。公開されているマイクロアレイ・データベースを利用して、当該遺伝子の発現量とがん患者の生命予後不良が相関する可能性を見出した。また当該遺伝子産物に対する抗体を用いてて、臨床検体を対象に免疫組織化学染色実験を実施したところ、当該遺伝子産物の発現量と予後不良が相関することを実際に確認した。当該遺伝子を予後予測マーカーとしての有用性を確認した。
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