研究課題/領域番号 |
16K15581
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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研究分担者 |
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
佐藤 和好 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40437299)
沼子 千弥 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80284280)
中山 雅央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60582004)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (20707161)
犬伏 祥子 (カリヤ) 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (60585959)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / 放射線増感 |
研究実績の概要 |
本研究で使用する過酸化チタンナノ粒子の放射線増感の原理は、放射線照射によってチタン原子-酸素の原子間の結合の結晶構造の変化・崩壊よりヒドロキシラジカルが生成することを確認しており、この原理は前述の金ナノ粒子の光電効果とは異なる、より強力な全く新しいヒドロキシラジカル生成による放射線増感メカニズムである。バイオ中腔カプセルの大量生産が困難であったため、過酸化チタンナノ粒子と金ナノ粒子の比較実験、併用実験を動物実験による毒性評価を実施した。金ナノ粒子との比較では無細胞実験でのラジカル測定では放射線照射により発生する活性酸素の種類は、金ナノ粒子ではヒドロキシラジカル、過酸化チタンナノ粒子ではヒドロキシラジカルだけで無く過酸化水素と内容が異なっており、今後併用などに新たな方向性が見受けられた。 臨床応用には過酸化チタンナノ粒子の安定的生産を確認する必要があり、GMP準拠での生産とその生産物による毒性を明らかにする必要がある。今後は、担癌マウスおよび通常のマウスを用いてナノ粒子を腫瘍局注または尾静脈投与後、一定期間の観察を行い有害事象、生存率を評価する。観察後に主要臓器(肺・肝・腎・心)を摘出し、肉眼的及び組織学的に調べる。これまでの実験ではマウスから採血し生化学検査を実施したが、肝機能障害や腎機能障害は認められなかった。これらの毒性評価はナノ粒子の濃度および投与量を変化させて行ったが、死亡固体は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたバイオ中空カプセルはその大量生産が困難であり、一部のみの研究資化できなかったため、過酸化チタンナノ粒子の性質の解析を詳細に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
過酸化チタンナノ粒子では、生体内の毒性が少ないことが判明したので、さらに解析をす進め、その性質の均一性を高めるために、GMP準拠でのナノ粒子の生産を進める予定である。
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