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2018 年度 研究成果報告書

マイクロビームを用いた細胞核・細胞質照射における防御細胞応答の解析

研究課題

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研究課題/領域番号 16K15586
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分基金
研究分野 放射線科学
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

小西 輝昭  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線障害治療研究部, 主任研究員(定常) (70443067)

研究協力者 小林 亜利紗  
大澤 大輔  
及川 将一  
古澤 佳也  
ワン ジュン  
アウサバポロンポーン ナロンチャイ  
テンクーアマード テンクーアブリザルファリザル  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマイクロビーム / 細胞質 / ミトコンドリア / 酸化ストレス応答 / NRF2 / DNA修復 / Mito-Sox
研究成果の概要

放射線による細胞質損傷とその細胞応答を明らかにすることを目的とした。陽子線マイクロビームSPICEにおける細胞核・質の打ち分け技術を確立した。ヒト肺正常細胞の細胞核、質、またはその両方に陽子線を照射して、それぞれに対する生物効果を評価した。その結果、細胞質への照射では、放射線の直接的な作用でDNA二本鎖切断(DSB)は誘発されないが、ミトコンドリア損傷などの間接的な要因からDSBが誘発されることを示唆した。また、酸化ストレス応答の転写因子NRF2が活性化し、その標的遺伝子が発現し、そして、DSB修復も促進する。よって、細胞質損傷も防御的な細胞応答が開始するトリガーであることを示唆した。

自由記述の分野

放射線生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本課題では、放射線によって誘発される細胞質損傷を起因とする細胞応答は、DNA損傷の修復過程を促進するという結果を報告した。放射線による生物効果の第一ターゲットはDNAであるとした古典的な放射線生物学に対して、本研究では、第二ターゲットとして細胞質が存在し、それは放射線に対して防御的に働くことを示したことは学術的に重要であり、放射線以外の基礎生物学分野においても発展性が大きいと考える。そして、細胞の放射線感受性を左右するであろう細胞質損傷応答およびその経路は、放射線リスク推定とモデル化、並びに放射線がん治療においても、重要なファクターになり得ることからその社会的な意義は大きいと考える。

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公開日: 2020-03-30  

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