研究課題
水素ガス吸引によって、脳梗塞後の虚血再灌流障害を軽減することを2007年に動物実験で示し(Nat Med. 2007;13(6):688-694.)、心肺停止蘇生患者と脳梗塞患者に水素ガスを吸引することによって症状が軽減することを臨床試験によって示した(Circ J. 2016;80(8):1870-1873;J Stroke Cerebrovasc Dis. 2017;26(11):2587-2594)。動物実験のみならず、臨床試験においても、水素ガス吸引効果をしめすことができたので、実際の医療に適用できる可能性が高くなった。その改善効果を示すメカニズムを解明するために、再灌流時の処理前、処理中、処理後において水素ガスを吸引させ、その効果をマウスの筋肉の虚血再灌流において判定した。すると、再灌流後に水素ガスを吸わせると、水素ガスの効果は少なくなることから、再灌流時に起きる酸化ストレスを軽減することが重要であることがわかった。一方、虚血再灌流後の血中の炎症性サイトカインを調べると、再灌流2時間後にIL-6の増加を抑制することがわかった。また、再灌流後に水素ガス吸引を始めても、水素の効果は認められることも判明した。そのため、再灌流時に水素ガスを吸引させる効果は大きいものの、脳梗塞や心肺停止蘇生後のように再灌流時に水素ガスを吸引させることができない場合にも、有効であることが示唆された。
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https://www.juntendo.ac.jp/graduate/kenkyudb/search/researcher.php?MID=5478