研究課題
消化管間質腫瘍(GIST)細胞株GIST-T1をヌードマウスに移植したxenoraft (GIST-T1-xenograft)を用いて、イマチニブの腫瘍内デリバリーを観察できる実験系の開発を行った。BODIPY-Imatinib(励起波長507nm 蛍光波長511nm)とTAMRA-Imatinib(励起波長555nm蛍光波長580nm)を合成した。BODIPY-Imatinibは自家蛍光と重なり、測定にはTAMRA-Imatinibを用いた。GIST-T1-xenograftモデルで、イマチニブ100mg/kg/日4週間治療を行い治療前後での薬剤組織分布の変化を見た。イマチニブ治療により腫瘍縮小と共に腫瘍血管密度も減少していたが、TRMRA-イマチニブの薬物デリバリーは保たれていた。質量顕微鏡による薬剤分布の測定は、MALDI-TOFMSでは、イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブのin vitroでの可視化は可能であったが、GIST-T1-xenograftモデルを用いたin vivoでは感度不足で測定できなかった。そこで、ESIとLC-MS装置の組み合わせ、質量顕微鏡の感度を10倍上げることで、GIST-T1-xenograftにイメチニブ50mg/kg投与後1時間の腫瘍組織内のイマチニブ分布を観察することが可能になった。TRMRA-イマチニブとESI-MSIを組み合わせ、前者で細胞内及び腫瘍組織内、後者で腫瘍組織内の薬物動態を評価できる。今後、2種類の分子イメージングで腫瘍組織内の耐性メカニズムを調べる。更に、抗イマチニブ抗体を作成し、これに蛍光標識を付け、GIST-T1-xenograftモデルを用いイマチニブ投与後の薬剤分布を調べた。その結果、抗体が的確に組織内イマチニブを認識していることが示された。
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