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2018 年度 実績報告書

TREX2複合体機能不全の誘導は抗がん剤感受性亢進の標的になるのか

研究課題

研究課題/領域番号 16K15603
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

権藤 なおみ  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫応答研究分野, 研究員 (30743356)

研究分担者 桑原 一彦  愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, 客員研究員 (10263469)
葛島 清隆  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫応答研究分野, 分野長 (30311442)
岩田 広治  愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (90295600)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード乳癌 / 薬剤抵抗性 / DSS1 / TREX2
研究実績の概要

出芽酵母TREX2複合体は、mRNA核外輸送において中心的役割を果たし転写に共役したDNA 傷害に関与する。哺乳動物で同様な機構が働いているのかは不明である。申請者らは、ヒト乳癌細胞株においてTREX2複合体構成分子の一つ DSS1をノックダウンすることでDNA傷害が誘導され、化学療法との組み合わせでその感受性が亢進することを明らかにした。本研究では乳癌細胞株によるin vitro解析と乳癌コホート解析により複合的にアプローチした。
DSS1はBRCA2安定化因子として同定され、DSS1の発現を低下させるとBRCA2の発現も激減する。DSS1発現低下がBRCA2発現低下を誘導し化学療法感受性を亢進させる可能性も考えられる。この可能性を検証するために、siDSS1処理とsiBRCA2処理を種々の乳癌細胞株で行い化学療法感受性の亢進が見られるか比較したが、BRCA2は抗癌剤の感受性に関与しないことが分かった。次に、TREX2複合体構成分子の機能不全による化学療法感受性を検討した。DSS1はTREX2複合体を構成する分子のPCID2と結合している。siDSS1処理細胞もsiPCID2処理細胞もコメットアッセイによりDNA傷害が誘導されていることから、TREX2複合体構成分子の機能不全は化学療法感受性を亢進させる可能性がある。MCF7細胞を用いてPCID2ノックダウン細胞と高発現細胞株の作製を行い、PCID2も薬剤感受性に影響を与えることを検討したところDSS1と同様に化学療法への感受性に影響を与えることが明らかになった。また、名古屋市立大学の乳癌患者コホートを用いて、PCID2高発現群と低発現群における予後の比較を検討した。PCID2もDSS1と同様に高発現している群が予後が悪い傾向にあった。以上よりTREX2複合体が化学療法の感受性に関与していることを明らかにした。

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公開日: 2019-12-27  

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