研究課題/領域番号 |
16K15616
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小関 準 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (20616669)
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研究分担者 |
今野 雅允 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (80618207)
西田 尚弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50588118)
川本 弘一 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (30432470)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌 / エピゲノム / 創薬 / インシリコスクリーニング |
研究実績の概要 |
大規模計算機を用いたバーチャルスクリーニング(in silico スクリーニング)により、これまで困難であったエピゲノム制御因子(JARID1B)の阻害剤スクリーニングを可能にする。これまでにin silico スクリーニングにより約500万化合物のスクリーニングを実施、候補化合物を絞り込んだ段階で化学スクリーニングを実施し、JARID1Bファミリー阻害剤を絞り込む。これら阻害剤候補の癌幹細胞での効果検討、動物実験での効果検討による機能確認、計算機による合成展開最適化を行うことで癌幹細胞を標的とした薬剤の導出を目的として本研究に取り組んでいる。 平成28年度においては、平成29年度に予定していたコンピュータ解析を前倒し、当初考えていた候補化合物よりも強力にJarid1Bを阻害する化合物が同定し、薬物候補化合物の絞込みを行うことに成功した。 平成29年度ではコンピュータを用いたシミュレーションにより、平成28度の研究において絞り込むことが出来た候補化合物が、どのようにタンパク質の触媒部位にはまり込み、どのような阻害作用で阻害が見込まれるのかを物理学的予測によって推定した。推定された相互作用ポイントから、不要な置換基と必要な置換基を同定し、これらの結果を用いて不要部位の撤去と追加の相互作用置換基を付加することで、抽出されていた候補化合物よりも強く阻害が見込める構造を探索した。阻害が見込める構造を実際に合成し、in vitro酵素阻害効果を検証した。それにより薬物構造と阻害活性との相関解析を行う事で、効率的な構造活性相関予測を可能にした。その結果28年度よりも阻害活性が高いとみられる化合物を幾つか同定することに成功した。さらに得られた候補化合物郡の中から代表的な薬物候補化合物に対して動物実験を実施した。その結果、体重減少を起す事無く腫瘍径を縮小させる傾向が確認できた。
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