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2016 年度 実施状況報告書

難治性がんにおけるSelf-niche仮説の提唱と革新的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15620
研究機関九州大学

研究代表者

前原 喜彦  九州大学, 医学研究院, 教授 (80165662)

研究分担者 米満 吉和  九州大学, 薬学研究院, 教授 (40315065)
沖 英次  九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
佐伯 浩司  九州大学, 医学研究院, 准教授 (80325448)
原田 結  九州大学, 薬学研究院, 助教 (00608507)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードがん幹細胞 / ニッチ / 薬剤耐性
研究実績の概要

抗がん剤耐性や癌の転移・再発の原因となるがん幹細胞の維持には、その微小環境(ニッチ)が重要である。抗がん剤抵抗性を示す細胞の集団の中には、ニッチとして機能する細胞が存在するのではないかと考え、がん幹細胞とニッチの結合に関わるような分子、及びニッチの形成・維持に重要な分子の同定を試みている。
1)Proteome Profiler Array によるタンパク発現変化の解析
がん幹細胞をイリノテカン処理したサンプルを用いて、Chemokine array, Cytokine array, Adipokine arrayを実施し網羅的な解析から、イリノテカン処理により発現の変化する分子をピックアップした。発現上昇の大きかった4つの分子を優先し、各々レセプターの発現状況を調べ、中和抗体、阻害剤などを用いて、薬剤耐性への寄与を調べている。ピックアップしたケモカインの一つは、今回使用したがん幹細胞では、イリノテカン処理により発現の上昇が見られたが、一般的な4種類の大腸癌細胞では発現が減少していた。薬剤処理によりストレスがかかったがん幹細胞に特異的な反応なのか、細胞間のgenetic backgroundなどを考慮し、発現メカニズム及び細胞への作用を調べる予定である。
2)抗がん剤処理後の再増殖に関わる分子、早期に反応するマーカーの探索
イリノテカン処理によって生き残った細胞のクラスターをdrug off して培養を続けると、数週間は細胞数が減少しクラスターも縮小するが、その後、細胞の増殖が始まる。再増殖のきっかけとなる分子・早期に反応するマーカーの探索のため、Drug offから細胞が増殖するまで、1週間ごとにRNAを回収し、その期間の遺伝子変化をマイクロアレイにて網羅的に解析中である

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)Proteome Profiler Array によるタンパク発現変化の解析
がん幹細胞をイリノテカン処理したサンプルを用いて、Chemokine array, Cytokine array, Adipokine arrayを実施し網羅的な解析から、イリノテカン処理により発現の変化する分子をピックアップした。造血幹細胞等で特定のケモカインを高発現している細胞がニッチとして働く報告があることから、発現上昇の大きかった4つの分子を優先し、評価することとした。ピックアップしたケモカインの一つは、今回使用したがん幹細胞で、イリノテカン処理により発現の上昇が見られたが、一般的な4種類の大腸癌細胞では発現が減少していた。薬剤処理によりストレスがかかったがん幹細胞に特異的な反応なのか、細胞間のgenetic backgroundなどを考慮し、発現メカニズム及び細胞への作用を調べる予定である。

2)抗がん剤処理後の再増殖に関わる分子、早期に反応するマーカーの探索
イリノテカン処理によって生き残った細胞をdrug off して培養を続けると、数週間は細胞数の減少が続きクラスターも縮小するが、その後、細胞の増殖が始まる。再増殖のきっかけとなる分子や早期に反応するマーカーを探索するため、Drug offから細胞が増殖するまで、1週間ごとにRNAを回収し、その期間の遺伝子変化をマイクロアレイにて網羅的に解析中である。

今後の研究の推進方策

1)Proteome Profiler Array によるタンパク発現変化の解析
ピックアップされた分子について、阻害剤、siRNA/shRNAを用いて、抗がん剤の感受性、浸潤、走化性の評価を行う。
2)抗がん剤処理後の再増殖に関わる分子、早期に反応するマーカーの探索
Drug offから細胞増殖が始まる期間の遺伝子変化の網羅的解析の結果から、再増殖に関与する分子をピックアップし、siRNA/shRNAによるKDにより、再増殖への影響を確認する。
上記のin vitroの研究で、興味深い分子が同定された場合は、臨床検体で発現を確認し、臨床病理学的因子との関係について解析する予定である。同定分子が創薬のターゲットとなる場合は、効果予測のバイオマーカーの探索に発展させる。また、得られた知見について、大腸がんだけでなく、他の固形がんへ応用できる可能性も探る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 薬剤耐性がん幹細胞様細胞の動態変化とその維持機構2016

    • 著者名/発表者名
      小野尚美、原田結、佐伯浩司、沖英次、米満吉和、前原喜彦
    • 学会等名
      第27回日本消化器癌発生学会総会
    • 発表場所
      鹿児島県鹿児島市城山観光ホテル
    • 年月日
      2016-09-15 – 2016-09-16

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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