• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

膵星細胞におけるオートファジー誘導を標的とした新規創薬スクリーニング

研究課題

研究課題/領域番号 16K15621
研究機関九州大学

研究代表者

仲田 興平  九州大学, 大学病院, 助教 (30419569)

研究分担者 白羽根 健吾  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10529803)
当間 宏樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80437780)
冨永 洋平  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90304823)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード膵癌 / オートファジー / 膵星細胞 / 創薬
研究実績の概要

膵臓癌間質に存在する線維芽細胞である膵星細胞の活性化にオートファジーが関与していることを報告した。本研究では、膵星細胞の活性化とオートファジーとの関連をさらに追究するとともに、星細胞の抑制に着目した独自のスクリーニング系を用いた化合物ライブラリーからのスクリーニングにより新規オートファジー抑制剤となる創薬シーズを検索し、検索された化合物の膵癌や膵星細胞に対する生物学的動態の評価を行い、最終的に膵癌を含めた新規抗がん剤を開発することを目的とする。本年度は実際にオートファジー抑制薬の探索を行った。東京大学創薬オープンイノベーションセンターが保有する化合物ライブラリーを利用し、膵星細胞抑制剤の探索を行ったところ、既承認薬の網羅的探索で膵星細胞を休眠状態に誘導する可能性のある化合物(シード化合物)を152種類同定した。この中で脂肪滴の発現強度の最も高い複数の化合物に対して、再評価を行った。その結果候補とされるシード化合物が星細胞の活性化を抑制することを同定した。さらに、スクリーニング時(10μM)よりも低濃度(100nM)でも星細胞の活性化が抑制され、さらにLC3-II発現が抑制されることを確認した。また、化合物投与後の星細胞の増殖能の評価を行い、濃度依存性に膵星細胞の増殖が阻害されることを確認した。さらにマウスXenograftモデルにおいても膵星細胞のオートファジー抑制によって、腫瘍径及び肝転移・腹膜播種数の低下がみられた。これらの研究成果は膵星細胞の活性化とオートファジーとの関連を強く示唆するものであり、膵星細胞における新規オートファジー抑制剤の開発が期待される結果であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Autophagy inhibition enhances antiproliferative effect of salinomycin in pancreatic cancer cells2017

    • 著者名/発表者名
      Endo S, Nakata K, Sagara A, Koikawa K, Ando Y, Kibe S, Takesue S, Nakayama H, Abe T, Okumura T, Moriyama T, Miyasaka Y, Ohuchida K, Ohtsuka T, Mizumoto K, Nakamura M
    • 雑誌名

      Pancreatology

      巻: 17 ページ: 990~996

    • DOI

      10.1016/j.pan.2017.08.009

    • 査読あり
  • [学会発表] オートファージは膵星細胞の活性化に関与しており、その抑制は膵癌の進展を制御する2017

    • 著者名/発表者名
      仲田興平、遠藤翔、大内田研宙、水元一博、小田義直、橋爪誠、中村雅史
    • 学会等名
      第76回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] Pancreatic organoids elucidate the new mechanisms of pancreatic cancer local invasion2017

    • 著者名/発表者名
      Koikawa K, Ohuchida K, Ando Y, Kibe S, Nakayama H, Takesue S, Yan Z, Abe T, Okumura T, Iwamoto C, Moriyama T, Nakata K, Miyasaka Y, Okabe Y, Ohtsuka T, Mizumoto K, Nakamura M
    • 学会等名
      The 48th Annual Meeting of The American Pancreatic Association
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi