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2016 年度 実施状況報告書

I型糖尿病根治を目指した膵β細胞再生への直接変換系の再編成

研究課題

研究課題/領域番号 16K15624
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

松本 征仁  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90321819)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード膵β細胞 / 再生 / 細胞分化 / 直接変換 / 糖尿病
研究実績の概要

I型糖尿病の治療において、インスリン注射や膵島移植が広く行われているが、患者負担が大きいことやドナー不足・移植による拒絶応答など全ての患者に満足のいく治療を提供できないのが現状である。最近、幹細胞から膵β細胞を作る新たな再生医療アプローチ法が期待されており、ヒトiPS細胞やES細胞等の幹細胞から膵β細胞への最新誘導プロトコ-ルが昨年報告され(Melton et al, 2014, Kiefer et al, 2014)、糖尿病の再生医療の実現に向け見通しが立ってきたといえる。しかしながら、これらのアプローチ法は分化誘導の効率や腫瘍化コントロールの課題が残されている。 本研究の目的は、直接変換によって高効率で体細胞から膵島様細胞の作製方法を確立すること、作製した膵島様細胞を免疫不全糖尿病モデルマウスに移植し、血糖改善できることを示し、直接変換のしくみを明らかにすることを目的としている。
申請者らは、マウス胎児繊維芽細胞(MEF)等の体細胞を用いたダイレクトリプログラミングによる膵β細胞の作製手法は、僅か2週間で約80%の高効率でインスリン産生細胞の作製を再現できることが示された。さらにグルコース応用によるインスリン分泌が誘導されること、またこれらの細胞を糖尿病モデルマウスに移植した結果、血糖の改善効果が認められた。以上より、従来のiPS/ES細胞を用いた手法に比べて、約半分の期間で細胞が作製できることから、将来的に膵島様細胞を提供することによって、I型糖尿病患者が必要とする「根治治療を実現」に繋がることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験材料の入手等に支障がなく、実験条件の設定と再現性の確認に多少時間を要することがあるが、おおむね適切な研究計画のもとに進行しているため。

今後の研究の推進方策

今後は体細胞から膵β細胞への直接変換の効率をさらに上げるとともに、再構成による直接変換のしくみを明らかにするため、リプログラミング因子の動態ならびに遺伝子発現制御に関わる役割を明らかにするため、リプログラミング因子の各ドメインの機能をリプログラミングの誘導効率から解析を行う予定である。リプログラミング因子のドメイン機能を明らかにした上で、LC-MS/MS解析によるリプログラミング因子に会合する因子を同定し、より詳細な分子機序を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Differentiation of Islet Progenitors Regulated by Nicotinamide into Transcriptome-Verified β Cells That Ameliorate Diabetes.2017

    • 著者名/発表者名
      Jiang FX, Li K, Archer M, Mehta M, Jamieson E, Charles A, Dickinson JE, Matsumoto M, Morahan G
    • 雑誌名

      Stem Cells

      巻: 35 ページ: 1341-1354

    • DOI

      10.1002/stem.2567

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] An inhibitor of Fibroblast Growth Factor Receptor-1 (FGFR1) promotes late-stage terminal differentiation from NGN3+ pancreatic endocrine progenitors2016

    • 著者名/発表者名
      Yamashita-Sugahara Y, Matsumoto M, Ohtaka M, Nishimura K, Nakanishi M, Mitani K, Okazaki Y
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 335908

    • DOI

      10.1038/srep35908 (28)

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ダイレクトリプログラミングによる体細胞からβ細胞の高効率作出法2016

    • 著者名/発表者名
      松本征仁
    • 学会等名
      日本IDDMネットワークサイエンスフォーラム
    • 発表場所
      佐賀県鳥栖市
    • 年月日
      2016-06-25
    • 招待講演
  • [備考] 糖尿病創薬に光ーインスリン産生細胞の分化マーカーを2色の蛍光で標識したヒトiPS細胞の開発

    • URL

      http://www.saitama-med.ac.jp/genome/z_press%20release/press_release_10_27_16.pdf

  • [産業財産権] 膵内分泌細胞の分化促進と産生法の迅速効率化、および糖尿病治療薬スクリーニング2016

    • 発明者名
      松本征仁、岡﨑康司、菅原泉
    • 権利者名
      松本征仁、岡﨑康司、菅原泉
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2016/082095
    • 出願年月日
      2016-10-28
    • 外国

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公開日: 2018-12-17  

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