Metastatic dormancy活性化ニッチ分子機構解明と癌転移治療の応用

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 16K15625
• 研究機関: 順天堂大学
• 研究代表者: 小島 豊 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00327800)
• 研究分担者: 小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982) ; 折茂 彰 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70275866)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: CAFｓ / 大腸癌 / metastatic dormancy / niche

研究実績の概要

申請者の先行研究よりCAFsが癌細胞のmetastatic dormancy 活性化のnicheとして作用することが予期されている。CAFsは癌細胞に作用し接着・凝集能を亢進しクラスターを形成することにより細胞間で増殖シグナルを亢進する。この細胞間増殖シグナル亢進により、metastatic dormancy活性化能がリプログラムされ、癌細胞が遠隔臓器で転移コロニー増殖を亢進することが予測される。
本研究では、患者大腸癌より複数のPDXモデルを樹立した。大腸癌PDXをcollagenaseでdissocaiteしたcell suspension とCAFsあるいは対照の正常線維芽細胞を高度免疫不全NOGマウスに皮下移植後、肝臓および肺に転移を調査した。結果として、CAFsと移植した群において、PDXs由来癌細胞は優位に肝臓および肺に転移をすることがわかった。
この結果は、CAFsが近傍の癌細胞に作用し、浸潤を促進するのみならず、遠隔臓器に播種した後もdormancyになることなしに、増殖して転移コロニー形成を促進することが示唆された。この転移コロニー形成能は、遠隔臓器におけるnicheの形成能の反映している可能性も示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Endoscopic Submucosal Dissection Decreases Additional Colorectal Resection for T1 Colorectal Cancer. (2018)
  • 著者名/発表者名: Tomiki Y, Kawai M, Kawano S, Ishiyama S, Sugimoto K, Takahashi M, Kojima Y, Murakami T, Ritsuno H, Shibuya T, Sakamoto N, Sakamoto K
  • 雑誌名: Medical science monitor : international medical journal of experimental and clinical research 巻: 24 ページ: 6910-6917
  • DOI: 10.12659/MSM.909380.
  • 査読あり
• [雑誌論文] High-sensitivity Detection of Micrometastases Generated by GFP Lentivirus-transduced Organoids Cultured from a Patient-derived Colon Tumor. (2018)
  • 著者名/発表者名: Okazawa Y, Mizukoshi K, Koyama Y, Okubo S, Komiyama H, Kojima Y, Goto M, Habu S, Hino O, Sakamoto K, Orimo A
  • 雑誌名: Journal of visualized experiments : JoVE 巻: 14 ページ: 1-8
  • DOI: 10.3791/57374.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Case report of perineal hernia after laparoscopic abdominoperineal resection. (2018)
  • 著者名/発表者名: Honjo K, Sakamoto K, Motegi S, Tsukamoto R, Munakata S, Sugimoto K, Kamiyama H, Takahashi M, Kojima Y, Fukunaga T, Kajiyama Y, Kawasaki S
  • 雑誌名: Asian journal of endoscopic surgery 巻: 11 ページ: 173-176
  • DOI: 10.1111/ases.12420
  • 査読あり
• [学会発表] 中間型上皮間葉移行による患者大腸癌細胞クラスターの転移への寄与 (2018)
  • 著者名/発表者名: 岡澤 裕、水越 幸輔、小山 侑、大久保 捷奇、Kaidiliavi Sulidan、伊藤 恭彦、小見山 博光、小島 豊、五藤 倫敏、垣生 園子、樋野 興夫、折茂 彰、坂本 一博
  • 学会等名: 第29回 日本消化器癌発生学会総会 東京