本研究では、大腸がん組織から転移マーカーを探索し、血中エクソソームを用いた転移早期診断法を開発することを目的とした。大腸がん同一患者の原発巣/転移巣12組24検体の膜タンパク質の定量プロテオーム解析による転移マーカーの探索を行い、原発/転移間で発現量に差のある182種類の膜タンパク質を同定した。次に、それらのタンパク質が血中のエクソソームで検出・定量可能かどうか、高感度定量用質量分析計を用いたSRM/MRM法を用いて検討した。その結果、2つのタンパク質が高い精度で転移大腸がんを診断できる可能性が示唆された。これらのタンパク質は、大腸がんの転移マーカーとして有望であると考えられた。
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