外側視床下部からChR2をウィルス導入してChR2発現が認められる視床背内側核と外側手綱核の軸索終末部を80Hzの青色光で経路特異的に光刺激すると、δ~β帯域およびγ帯域パワーの一過性の増強とそれに続く抑制が誘導された。光刺激は視覚弁別課題の成績には有意な影響を及ぼさなかったが、空間作業記憶課題の手がかり呈示中に光刺激を行うと成績が顕著に低下した。遅延期間中の光刺激では行動への影響は弱かった。以上より、外側視床下部-視床背内側核/外側手綱核経路の過興奮とそれに続く抑制により認知機能障害がもたらされることがわかり、この系は視床下部過誤腫てんかん後の脳症の動物モデルとして適切と考えられた。
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