はじめに、ヒトiPS細胞から分化誘導した神経幹細胞(NSC)にウイルスベクターを用いてHSV-tK遺伝子を導入した。脳腫瘍モデルマウスにHSV-tk発現NSCを移植し、Ganciclovir (GCV) を投与したところ、著明な治療効果が認められた。つぎにゲノム編集によりHSV-tk遺伝子をiPSに導入したところ、細胞毒性により安定したiPS細胞株が樹立できなかった。そこで、遺伝子発現誘導システムを用いて、Tet-inducible HSV-tk導入iPS細胞を樹立した。治療用NSCを誘導し、脳腫瘍モデルマウスに移植後、GCVとDoxycyclineを投与すると、著明な治療効果が確認された。
|