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2017 年度 実績報告書

RNA結合因子を標的とした神経膠腫予後マーカー開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15649
研究機関金沢医科大学

研究代表者

中村 有香  金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (00565632)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード腫瘍マーカー / RNA / 神経膠芽腫
研究実績の概要

GBMではEJC関連因子においてmRNA量が増加していることを見いだした。この結果は、正常組織で発現が低いEJC関連因子が腫瘍では発現が高いこと、細胞分裂にEJCが寄与することから、増殖する腫瘍細胞はEJCの発現を獲得することが必要と考えられる。そこでGBM腫瘍組織および周辺部よりタンパク質を抽出し、ウエスタンブロットを行ったところ、腫瘍組織での高発現を見いだした(未発表データ)。この実験結果は、がん化にともなうEJCの活性化がGBM細胞の増殖に必須であることを強く示唆する。次に、EJC関連因子の高い発現の意義を明らかにするために免疫染色し、発現量が高い群と低い群で生存率に差があるかを検討した。46名の腫瘍組織標本について、あるEJC関連因子で染色し、発現量と予後との関係をKaplan-Meierプロットしたところ、高発現群では低発現群と比較して有意に全生存期間が短いことが明らかとなった(p=0.0081)。また、Tet-ONシステムを利用して薬剤誘導による過剰発現(OE)系を作製した。ウエスタンで発現誘導を確認後、DNAマイクロアレイによりトランスクリプトーム解析を行ない、影響を受ける遺伝子を検索したところ、多数の遺伝子の変動を検出できた。これらの遺伝子の機能をデータベースなどにより検索したところ、GBMに関連する遺伝子が多数を占めていた。この結果は、EJC関連因子がGBMに関わる遺伝子群のマスター因子であることを示唆するものと思われる。また、EJC関連因子について核内への局在についても確認を行なった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] High FDG uptake on PET is associated with negative cell-to-cell adhesion molecule E-cadherin expression in lung adenocarcinoma.2017

    • 著者名/発表者名
      Higashi K, Ueda Y, Shimasaki M, Ishigaki Y, Nakamura Y, Oguchi M, Takegami T, Watanabe N.
    • 雑誌名

      Ann Nucl Med.

      巻: 31(8) ページ: 590-595

    • DOI

      10.1007/s12149-017-1187-y.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] クロマチンモデュレーター蛋白CTCFとHMGA1は血管平滑筋細胞分化をつかさどるmiRNAの遺伝子発現を核骨格上で逆方向に制御する2017

    • 著者名/発表者名
      岩井邦充, 五十嵐裕太, 渡邊啓介, 奥野太寿生, 姫野太郎, 大黒正志, 森本茂人,中村有香, 石垣靖人
    • 学会等名
      第30回日本老年学会総会・第59回日本老年医学会学術集会
  • [学会発表] 内皮細胞の核小体蛋白NucleosteminはPro-inflammatory形質への転換促進と抗酸化ストレス酵素の発現を促進する相反作用を内蔵した形で動脈硬化に関与する2017

    • 著者名/発表者名
      五十嵐裕太, 岩井邦充, 森田卓朗, 矢野 浩, 入谷 敦, 大黒正志, 森本茂人, 中村有香, 石垣靖人
    • 学会等名
      第30回日本老年学会総会・第59回日本老年医学会学術集会
  • [備考] http://www.kanazawa-med.ac.jp/

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公開日: 2018-12-17  

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