研究課題/領域番号 |
16K15652
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
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研究分担者 |
廣瀬 旬 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00456112)
松本 卓巳 東京大学, 医学部附属病院, その他 (70436468)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | CTを用いた有限要素解析 / 骨強度 / 骨密度 |
研究実績の概要 |
粗鬆症を呈する関節リウマチ(Rheumatoid arthritis : 以下RA)患者で、新規にテリパラチド製剤(骨形成促進剤)を導入した患者40名(平均69.0歳、女性37名)を対象都市、テリパラチド開始時、投与6、12ヶ月における骨密度(DXA)、CT/有限要素解析による椎体・大腿骨近位部骨強度解析を測定し、経時的に平均値を算出した。さらに対応のあるt検定を行い、開始時と投与6、12ヶ月をそれぞれ検定した。p<0.05を有意とした。開始時、投与後6、12ヶ月の腰椎骨密度は0.88、0.92、0.93 g/cm2(p=0.01)開始時からの平均変化率は5.0、6.8%であった。股関節頚部骨密度は0.63、0.63、0.64 g/cm2(p=0.08)、開始時からの平均変化率は0.3、1.5%であった。一方、CT/有限要素解析による予測骨折荷重は開始時、投与6、12ヶ月それぞれにおいて、腰椎は3433、3782、3864 N(p=0.03)であり、開始時からの平均変化率は11.0、15.4%であった。大腿骨近位部立位条件は4042、4124、4059 N(P=0.8)であり、開始時からの平均変化率は3.4、1.0%であった。大腿骨近位部転倒条件は1479、1479、1478 N(p=0.9)であった。開始時からの平均変化率は0.4、0.1%であった。腰椎において、骨密度・骨強度解析ともに投与6、12ヶ月は開始時と比較し有意に上昇した。さらに平均変化率は骨強度が骨密度を上回った。大腿骨近位部においては骨密度、骨強度解析ともに開始時と比較し、6、12ヶ月は有意差はなかった。CT/有限要素解析による予測骨折荷重を用いた骨強度評価は特に腰椎において効果的にテリパラチド製剤の治療効果を捉えられる可能性がある。今後、18ヶ月における骨強度を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は関節リウマチ患者に対し、テリパラチド製剤を投与し、投与前と投与6、12ヶ月における骨密度とCT/有限要素解析による椎体・大腿骨近位部骨強度解析を行い、特に腰椎において、CT/有限要素解析による変化率が骨密度変化率を上回り、より効果的にテリパラチドの薬剤治療効果を反映したことが示された。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度以降、テリパラチド18ヶ月の解析を行い、最終目的である本システムを用い、骨量域抽出を自動化するシステムを構築する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)おおむね研究が順調にすすみ必要以上の支出がなかった。 (使用計画)骨強度システム内の骨領域抽出を自動化するシステムを構築するためにかかる費用
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